やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

桜よ急いで咲いてはならぬ!!無理に開けば冷たい風に散らされてしまうぞ!!

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早速、ワイド版風雲児たち第八巻を購入してきました。
表紙は、散る桜を背景にした田沼意次
期待していた嫡男意知を亡くした無念さがにじみ出ているような気がします。

この巻では、田沼意知の横死から死を目前にした中川淳庵までが触れられています。
歴史にifと言う言葉はないとは誰が言ったのかわかりませんが、それでももし、田沼意知が存命で父意次の引退後に蝦夷地(北海道)開拓事業や印旛沼開拓、そして開国を進めていれば、江戸幕府は史実よりも楽に歴史上の役割を終えれたでしょうし、何よりも幕末に孤軍奮闘した福山侯阿部正弘が、幕末編風雲児たちで今見せているように、あそこまで苦労することは無かったと思いますね。
むろん、この事も歴史上の可能性にしか過ぎないのですが。

意次の臨終の際に意次が庭の桜に向かって放った表題の言葉。
「桜よ急いで咲いてはならぬ!!無理に開けば冷たい風に散らされてしまうぞ!!」
この言葉は、風雲児たちの中でも私が一番印象に残っているセリフです。
無責任な民衆や過去の制度に固執する御三家御三卿を初めとする保守勢力に悩まされながらも、決して弾圧することなく、国の未来、民の安寧に心を砕いた宰相・相良侯田沼意次は、結果はともかくとして十分に歴史上において評価されうるべき英傑である。
少なくとも私はそう思いますね。