やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

少年犯罪の本質へ迫る事の意義

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少年犯罪の本質について、久しぶりに得心がいった対談でした。積読が増えつつあるのですが、今回取り上げられた書物は是非読んでみたいと思います。

少年犯罪、特に凶悪な少年犯罪が発生すると、メディアはこぞってセンセーショナルに報道し、論評も容疑者の少年の「異常性」を殊更に強調して、意図してかは分かりませんが極めて特殊な犯罪だと言わんばかりの報道を行なう傾向があるように思います。
ですが、それで本当に少年犯罪の本質に迫ったことになるのでしょうか?

少年犯罪が起こると、メディアはすぐに「心の闇」とか書くでしょう?「心の闇」ってキャッチーなフレーズだから何か説明されたみたいな気になるけれど、よく考えたら何のことか分からない。何も言ってないんですよね。

いざ事件が起こると嵐となり、あらゆるものを巻き込んで行きますが、やがてはその嵐も収まって元の平穏が戻ってくる。何の考察もされずに。
別に少年犯罪に限りませんが、検証がなされることが少ないために、いつまで経っても表層的なものしか追えないのかなと思ったりします。

少年犯罪は厳罰化の方向にあります。「体感治安の悪化」といった実態が伴わない理由で厳罰化に進むのは問題があると私は思っています。

仰る通りで、厳罰化を求めるならば、統計など客観的数値に基づいた論拠が必要だと思います。
情緒に基づいた意見というものは共感を得やすいがために、その事のみに基づいて厳罰化を進めるのは、社会の有り様としては極めて危険な方向性であると個人的には思いますね。

故に、今回の対談で取り上げられているような検証記事や事件をまとめた書物が必要になってくるのだと思います。
そして、これらの検証作業に地道に取り組む記者がもっと増えることこそが、より少年犯罪の本質に迫ることになるのかなと思いますね。