やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

学問の枠組を見直す努力は必要かもしれません

経済学部出身なので、どうしても社会科学系の肩を持ってしまいますが。
今回の文部科学省の通知は、少子高齢化社会において国際競争力を維持できる技術者の確保という視点があるとは聞いていますが、特定の学問への肩入れはむしろ社会の発展をいびつなものにしかねないと個人的には思います。
むしろ、少子高齢化社会に対しては、個々人の生産性を上げる方法を模索する方が筋だと思うんですけどね。

かつて、より高度で専門的な学問に集中させる趣旨で、一般教養課程が廃止されましたが、その結果、知識の偏りが起こり、オウム真理教による事件の遠因の一つになったという指摘もあります。
そこで、リベラルアーツが我が国でも再び脚光を浴びたりしてきているわけですが、今回の通知はこれらの取り組みに逆行するのではないかという懸念が、個人的にはあったりします。

まあ、理系と文系の線引きも曖昧なものですけどね。
例えば、私が学んだ経済学などは本気で学ぶには数学の素養は必須ですし。
近代経済学の古典であるケインズの一般理論には、複雑な数式がてんこもりですしね。
そういう数学の素養が必要な点では、理系的とも言えるかもしれません。
実際に海外では、心理学と並んで理系的な扱いがなされている場合もあるそうですし。

話を戻しまして。
今回の文部科学省の通知は、技術者の安定的な供給という産業界の要請に短絡的に対応したものであり、これをまともに実施すると、長期的には社会への悪影響が大きいと個人的には思います。
ただし、学問の枠組の見直しの不断の努力は必要だとは思います。海外には我が国と異なった学問の枠組がありますし、同じ土俵にのる必要があるならば、その枠組に近づける努力も必要なのではと思います。
まあ、社会と学問の関わりについて一石を投じたという意味では、この文部科学省の通知も全く役に立たないわけではないとは個人的には思いますけどね。