小金持ちのススメ
なかなか刺激的なタイトルですが、製造業での起業の本は珍しいので読んでみました。
面白いと思ったのは、起業で一獲千金を狙うのではなく、起業をして小金持ちを目指そうと書かれていた点でした。
起業、特にベンチャーでの起業では、上場して一獲千金を狙うという話が多いのですが、小金持ちという言葉の方がより現実味があるとは思いました。
ニッチな製造業のススメ
中でもニッチな製造業に着目し、実際の事例も踏まえて丁寧に書かれているのにも好感を持ちました。
製造業と言っても千差万別で、ニッチな分野に特化したり、ファブレスな形態で工場を持たずに少人数で事業を営む中小製造業など、下請けで薄い利益に苦しんでいる中小製造業とはかけ離れた事業が数多く紹介されていて、とても参考になりました。
それでも起業は容易ではないですが
起業に対する精神的なハードルを下げてくれるという意味では、この本は一読に値すると思います。
ただ、それでも起業へ一歩を踏み出すのは容易ではないでしょう。
我が国では、公務員やサラリーマンとなって安定した収入を得ることが好まれる風土がありますし、失敗した人に対するセーフティーネットの仕組みも整備されていませんしね。
税制も含めて、ある程度は社会でバックアップされる仕組みは必要だと思いますね。
