やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

新九郎、奔る! 第2巻・第3巻

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積読状態だった新九郎、奔る! 第3巻をようやく読みました。
そう言えば、第2巻の感想を書いていなかったのを今更のように思い出しましたので、併せて書いてみました。

新九郎、奔る! 第2巻

ついに武田信賢が一色義直を襲撃し、京の市街地でも戦いが始まることに。
そんな中、千代丸が元服して伊勢新九郎に名を改めます。
ようやくタイトルの「新九郎」が出てきました。

豪放な山名宗全と知略の細川勝元の戦の駆け引きも面白かったのですが、何と言っても第2巻の一押しは、今川義忠の登場。
後の新九郎にも影響を与える名門今川家の当主ですが、ゆうき先生の手に掛かれば、とんでもなく濃いキャラクターと化していました。
ただ、濃くて豪快な人物ですが、新九郎との言葉のやり取りでも思慮深さが感じられるのは、ゆうき先生らしいキャラクターの造形だと思いました。

新九郎、奔る! 第3巻

第3巻では、いよいよ応仁の乱ならではのグダグダな感じに。
応仁の乱がいまいち判然としない戦いなのは、10年以上だらだらと続いたこともありますが、「敵」と「味方」がコロコロ入れ替わるところも大きいと思います。
象徴的なのは、この第3巻で将軍足利義政と協調していた弟の足利義視が離反して、西軍の「将軍」として担ぎ上げられるところでしょう。
過去に歴史の本を読んだ時に、この辺りの経緯がよく分からなかったのですが、この作品では義視の心の動きをうまく描写して、矛盾がないようにうまく描かれていました。

一方、伊勢備中守家の子供たちもそれぞれの道へ。
片や輿入れ、そして他の子供たちは………。
第3巻の扉絵に、4人の子供たちの団欒の様子が描かれていますが、読み終えた後に再び見るとどうしてもしんみりとしてしまいますね。
また、新九郎の同輩の備前守家の家人たちが、新九郎に意見するシーンもとても良かったです。
大道寺太郎はもとより、荒川又次郎、在竹三郎など、後の新九郎の雄飛を支える御由緒六家の内の3名が出てきましたしね。

後は第4巻へ。
調べたら、どうやら連載がビッグコミックスピリッツに移ったようですね。
毎週連載になるのでしょうか?
いずれにせよ、新九郎の駿河や伊豆での活躍が早く見たいので、ゆうき先生には申し訳ないですが、少しでもテンポが上がるといいなとは思います。