20年間刊行されてきたんですね。
ここ最近の傾向には、ちょっと不満な面もあったんですが、この雑誌によって、私はみなもと太郎先生、紫堂恭子先生、星野之宣先生に横山光輝先生、そしてくさか里樹先生といった実力派の作家の方々の作品を知ることができました。それには本当に感謝したいと思っています。
で、最終回になったくさか里樹先生の「永遠の都」ですが。
この作品で私が一番驚いているのが、実は原作の小説が書かれたのが、1901年だったということですね。第一次大戦さえもまだ起こっていない、しかもイデオロギーを基盤として時の君主制政府に反抗するのが常だった当時において、既存のイデオロギーにとらわれない「人間共和」というヒューマニズムを主題にしたこの作品は、100年を超えて今でも私たちに普遍的なものとは何か?ということを語りかけてくるような気がします。
最終巻まで揃えて、もう一度読み返してみたい作品の一つです。