やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

少額訴訟に関する覚書き

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バーチャルネットハッカーっ娘 沙耶16歳より。

この記事を読んだ時に、正直その手があったかと思いました。
確かに、この少額訴訟が悪用される手口は、実際に判決が出てしまうと非常に厄介な事になりますので、覚書きがてらに書いておこうと思います。

少額訴訟とは、比較的少額な金銭等に関するトラブルを簡便に法的に解決するために設けられている制度で、管轄裁判所は簡易裁判所になっています。
(根拠法:民事訴訟法・第六編 少額訴訟に関する特則 第368条〜381条)
少額訴訟の特色には次の三点があります。一つ目に特別な事情が無い限り初回の口頭弁論後に直ちに判決が出される点、次に反訴(当該訴訟の被告が別に原告を訴える事)が禁止されている点、そして最後に控訴が禁止されており、異議の申し立てかその後は特別抗告(下級裁判所の決定や命令に憲法の解釈の誤りや憲法違反の疑いがある時に最高裁判所に求める抗告)しか判決に不服を申し立てる事が出来ない点です。
問題は、少額訴訟が提起されれば当然ながら被告は口頭弁論への出頭を命じられますが、その口頭弁論に出頭しなければ、被告は民事訴訟法第159条の「自白の擬制」により相手の主張を認めた事になり、自動的に裁判に負けてしまう点です。また、当該訴訟に勝訴すれば、原告には仮執行宣言(確定判決前に財産上の支払いなどの請求を認めること)が出され、取り立てなどについて法的に強制執行が可能になります、もちろん、異議の申し立ては出来ますが、仮に判決後に被告が異議の申し立てをしても、その仮執行宣言の執行を停止させるためには執行停止の仮処分の手続きが必要になるので、少額訴訟の判決が出た後にそれを取り消すには少なからぬ労力が必要になってきます。

上記の危険を回避するためには、最初に挙げたリンク先にも書かれている通り、口頭弁論に出頭する事と事前に弁護士等専門家に相談する事、そして警察に届け出る事が必要になるでしょう。
最初の口頭弁論に出頭する事については、「何も悪い事はやっていないのに何で?」と言う不満が必ず出てくると思いますが、出頭しなければいかに自分が身に覚えの無い支払請求であっても前述した「自白の擬制」によってその支払請求を公的に認めた事になってしまいます。面倒ではありますが絶対に出ておくべきでしょう。
まあ、この少額訴訟は同一の簡易裁判所で同一の年に10回を超えて訴訟を起こす事は出来ませんし(民事訴訟法第368条の1・最高裁判所民事訴訟規則第223条)、いざ事実を確認する時に困るのは原告側ですからね。「口頭弁論期日呼出及び答弁書催告状」なんて言ういかつい書面が届きますが、ここは知り合いの弁護士先生などと相談して、毅然とした対応をとることが最終的に損をしない事に繋がると思います。
要はびびらない事ですね。