中国、人民元相場を通貨バスケット制に・事実上切り上げ - NIKKEI NET(リンク切れ)
わずか2%の切り上げで、かつ通貨バスケット制への移行ということで、結局は外国為替市場や株式市場への影響は比較的限定的に留まったようですね。
まあ、中国政府としても、国内経済に重大な影響を与えるのが確実な完全変動制への移行を一気にやるよりは、段階的な移行で国内経済のソフトランディング(軟着陸)を狙うのは当然の考えかなとは思いました。(もちろん、完全変動制へ移行することで、かつてのアジア通貨危機の遠因とされたヘッジファンドなどによる投機的な外為取引を警戒しているのもあるかもしれませんけどね)
ただ、国際社会で正当な取引をするには、いずれは中国も完全変動制に移行するのは不可避なわけで。
問題はいつ、どのタイミングで行なうかというところなんだろうとは思います。
下手なタイミングで行なえば、現在の好況に水を差すだけでなく、一転して大不況を招く恐れもありますし。そうなれば、ただでさえ沿海部と内陸部との経済格差が中国国内の不安定要因になっているところに、更なる不安定要因が加わりますからね。
経済的な不満が農民や宗教勢力による反乱の原因となるのは、特に中国においては何千年にも亘って繰り返されている事ですし。現在の中国の首脳部も、その辺りには十二分に神経を尖らせているだろう事は想像に難くは無いですね。
むろん、この中国の動向は我が国にとっても対岸の出来事では無い訳で。現在でも、多くの日本企業が中国に進出している訳ですし、輸出入も結構依存してしますし、隣国の経済の動向は無視すべからざるものがあると思います。
まあ、過去の歴史云々の問題はありますが、歴史的に見れば、不幸な関係の時代よりも友好的な時代の方が長かった訳ですし、これからの歴史を考えれば、どういう風に隣国と付きあって行くべきかは自ずと分かってくるとは思いますけどね。(特に我が国にとっては)