やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

ホームレスと未婚率

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一読した限りでは、まずは結論ありき、いささか意地悪く書きますと、未婚者を攻撃するという前提があって、そのために本書を利用したという印象を受けました。
ここでクローズアップされているのは、定点観測におけるホームレスに占める未婚率の高さ(100人に対して37人)でしたが、裏を返せば「63人は既婚者」という事実もあるわけですね。
また、国立社会保障・人口問題研究所の人口統計資料集を見てみますと、2005年における我が国の世代別未婚率は30〜34歳で47.1%、35〜39歳では31.2%となっており、全体の未婚率も32.0%となっています。
ホームレスに占める未婚率と全体の未婚率を比較すれば、確かに前者の方が比率が高いのかもしれませんが、前者は「限られたサンプル」によるもので誤差が発生している可能性があること、後者は「5年前の調査」で過去において未婚率が増加傾向にあったことなどは割引く必要があると思います。

近年の未婚率の上昇については、実に様々な課題があり、また、様々な議論があります。
ですが、そう言った課題や議論を飛び越えて、未婚者そのものに自己責任論だけを押し付けるのはいささか飛躍し過ぎているのではないかと思います。
まあ、自己責任とすることで問題を解決させるのは、本当に楽な方法ですが。
ですが、例えそれで解決したとしても、根本的な解決にはならないと思うんですけどね。