やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

オープンとは真逆のアプローチを目指すApple

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Appleに対しては様々な批判がありますが、その中でも最たるものの一つに、自社で全てを完結させようとするそのクローズドな姿勢があると思います。
全ての製品やプロセスを自社の下でコントロールしようとする姿勢は、確かに一面的には独善と写るのかもしれません。ですが、自社での一貫した製品やサービスの提供は、統一性が図れれば管理が容易であるという強みがありますし、うまく運用すればブランド・エクイティの増大へとつながります。
オープンなビジネスモデルには、ネットワーク外部性などといった強みがありますが、自社独自の経営スタイルとブランドを大切にするAppleにとっては、あまり重要視はされないモデルではありますね。

また、このクローズドな姿勢が、AppleをかつてのWintel陣営に対する敗北という過ちを再び繰り返すものだという批判はありますが、これは当時の状況とは分けて考えるべきだと思います。
当時のApple経営陣はWintel陣営と同じ土俵に乗って争ってしまいましたし、何よりも、争いを行なっていた頃にはあのジョブズは経営に参加していませんでした。
Appleの今の経営手法を批判する人々は、ジョブズAppleへ復帰した時に何をやったかを考えて欲しいと思います。
その頃からジョブズには、シェアでトップに立とうという発想は全く無かったように思います。おそらくは、ジョブズが考えるコンピュータを介した無限の可能性を、Appleを通して具現化させているだけなのだと思うんですよね。
これはこれで、企業の有り様としては良い事であると私は思います。シェアでトップに立つのも良いですが、ユーザーにとって使いやすい製品やサービス、そしてそこから生まれる信頼やブランドイメージが提供されるのならば、Appleのやり方も一つのアプローチとしては有効だと思いますね。