やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

学び続ける力

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東京工業大学リベラルアーツセンターの教授となった筆者が、学生たちへの講義などを通じて「教養」というものについて考察した一冊。
すぐに役に立たないからこそ幅広い教養を学ぶべきだという考え方には、目からウロコでした。
現実に、アメリカのマサチューセッツ工科大学やハーバード、ウェルズリーカレッジなどでは、すぐに役に立たない教養こそ先んじて教え、すぐに役に立つであろう専門知識はあえてすぐには教えないという姿勢をとっているという意外な事実も知ることが出来ました。
もちろん、アメリカがとっている教育手法だけが正しいとは思いませんが、ただ、アメリカで活躍する政治家や経済人などの言動を見たり聞いたりしていると、確かに深い教養に裏付けられた発言は多いとは思います。

個人的な実感としては、社会人になって二十年ほどになりますが、今でも様々な本を読んで学ぶことが多いです。もちろんネット検索などで知識を蓄えることも多いですが、やはり物事を体系的に知るためには、やはり体系的に記述され、校正されて世に出てくる文章の塊としての書籍の方がより優位であるということは、論を待たないと思います。
そう言う意味では、ネット検索などで興味ある事実を知り、その背景を探るために書籍に手を出して行く今のやり方は間違っていないのだという自信にも繋がりました。

歳を重ねると共に、本を読むスピードは遅くなり、覚えも悪くなる一方ですが、教養を学びたいという意欲だけは失わないでいたいと思いますね。