やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

真田丸第21回「戦端」

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なるべく臣従を求めようとする秀吉

教科書では小田原征伐で秀吉は天下を手中におさめたとだけ書かれていますが、今回は真田も絡むだけに、そこに至る過程が細かく描かれようとしています。
基本的に、まずは自己の武力や朝廷の権威などを背景に臣従を求めるのが秀吉のやり方ですが、これはまあ合理的なやり方ですね。この頃に残っている大名はほとんどが大きな大名ですし、いかに秀吉に勢いがあるにしても、平定するにはそれなりの動員をかける必要がありますしね。
三成たちが多少の妥協でもって、北条に相対するのは合理的な考え方ではあると思います。

沼田にこだわる北条氏政

そこに加えて、北条、特に北条氏政のプライドの高さによって判断を誤らせる過程も丁寧に描かれています。
個人的には北条氏政武田勝頼と同じく、結果でもって低い評価が与えられている戦国大名だと思います。二人に共通するのは、それなりに所領の拡大など実績を上げているのですが、やはり偉大すぎる父親たちとどうしても比べられてしまうというところでしょう。
そのコンプレックスが氏政のプライドの高さにもつながっているのだろうと思いますし、だからこそ沼田を臣従の条件に出してきたのかなとも個人的には思います。

名代だらけの「討論会」

ただ、武田氏臣下の時代から沼田の領国経営を行なってきた真田にとっては、沼田の割譲は到底受け入れられない話なわけで。そもそも、沼田の争奪は天正壬午の乱が長引いた原因の一つですしね。
そこで、またまた条件闘争が続くのかなと思ったのですが、両者を呼んで秀吉が裁定するという流れに。
ところが、北条が名代をよこし、徳川も名代をよこしたので、昌幸パパがへそを曲げて信繁を名代に立てて、名代だらけの裁定の場に。
どこも大名が出てこなかったのに秀吉がよく怒らなかったなと思うのですが、それよりもなぜ昌幸自身が出てこなかったのかが不思議ですね。自身で出てきて領有の正当性を直接秀吉に訴えることも可能だったでしょうに。
まあ、ここは主人公の信繁を目立たせる脚本なのかもしれませんけどね。

他にも連日の舅の襲来におびえる信幸や微妙な空気が流れる上田城内など、面白い見所が満載でしたが、やはりここは小田原征伐までの過程を個人的には楽しみたいと思っています。
次はいよいよ名胡桃城の一件が起こるわけですが、その前に信繁がどのような弁論を行なうかが楽しみですね。