やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

「マルコに恋して - 大阪地下鉄道20の秘密 -」を読了しました

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マルコとマルニ

マルコに恋して - 大阪地下鉄道20の秘密 -

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ようやく購入できたので読んでみました。
サブタイトルが「大阪地下鉄道20の秘密」ということで、先日民営化された大阪市交通局高速鉄道(現・大阪市高速電気軌道株式会社)の80年以上にわたる歴史の中で起こった出来事の中で、全然知られていなかったことが数多く掲載されています。子供の頃に夢中になって読んでいた、保育社のカラーブックスを思い出して、今回、思わず手に取ってみました。
「マルコ」とはこの本にも書かれている通り、かつての大阪市営地下鉄のマークの俗称です。
ただ、以前存在した大阪鉄道荷物株式会社(現・株式会社ジェイアール西日本マルニックス)が社章として「マルニ」マークを使っており子供の頃によく「マルニマークの大阪鉄道荷物」というCMを流していたので、自然に大阪市営地下鉄のマークもマルコマークと言ってたような気もします。

高架や大阪市外への延伸が計画されていたのが意外でした

読んでいて特に印象に残ったのが、1947年の路線計画図でした。
高架での敷設が多く計画されていたのが意外でした。地下鉄というよりは高速鉄道としての側面が強く意識されていたのかなと思いました。
また、大阪市外への延伸も計画されていたことも意外でした。市営モンロー主義という俗説を長い間信じていたこともありましたので。
大阪市営地下鉄が市外になかなか延伸しなかったのは、建設費用の問題もあったのでしょうが、関西私鉄が地下鉄との競合を嫌ったことが大きかったのだろうと今は思います。
現に四つ橋線の大浜への延伸計画は、この「マルコに恋して」を著されたOsaka-Subway.comさんの記事にあるように、南海電気鉄道の強硬な反対により住之江公園止まりに変更されています。
まあ、後に御堂筋線がなかもずまで延伸した際に、南海は億単位の減収になったと新聞記事に掲載されていた記憶がありますので、あながち周辺の私鉄の危惧も杞憂ではなかったということでしょう。

これからの「大阪地下鉄道」に望むこと

少子高齢化により人口減少が確実なものとなる中で、都市交通、特に鉄道の整備は今後ますます重要になります。
人口減少は均等に起こるわけではありません。例えば大阪のような大都市圏であっても、大阪都心からストローで吸われるような形で人口減少が進むと考えられます。すなわち、都心から遠く交通の便が悪いところは、今まで以上に人口減少のインパクトが大きいと思われます。
高齢化により自動車運転の担い手も減少しますし、自動運転もまだ道半ばなので、自動車が交通の便を補完するのは今のところはなかなか難しいですしね。だからこそ、大阪における鉄道整備はこれまで以上に最優先事項になると思います。
その意味では、大阪メトロの誕生には大いに期待していますし、大阪の都市交通が活性化されれば良いとも思っています。

「マルコに恋して」の入手方法について

最後に「マルコに恋して」の入手方法についてですが、書籍版については今のところ大阪限定、しかも旭屋書店の難波CITY店や天王寺mio店など限られた店での販売になっています。
販売状況については、Osaka-Subway.comさんのサイトツイッターで確認するのが確実でしょう。

入手が困難な場合は電子書籍Kindle)を手に入れる方法もあります。

大阪の地下鉄や鉄道に興味のある方には、是非読んでもらいたいですね。