やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

昭和天皇物語 第3巻・第4巻

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昭和天皇物語の続巻をしばらく読んでいなかったのでまとめ読みしました。
まず第3巻は久邇宮良子女王との結婚をめぐる「宮中某重大事件」の経過とその顛末が描かれていました。
その中でも特に印象深かったのが、皇太子裕仁親王と元老山縣有朋公との対峙ですね。
言葉をまくし立てる山縣有朋公と、淡々とした口調ながらも自身の強い意志を伝える裕仁親王との対比が、緊張感があって良かったです。

第4巻は皇太子裕仁親王の欧州歴訪がメインでした。
欧州というよりはイギリスですね。
ロンドンでのイギリス国王ジョージ5世との出会いや、アソール公ジョン・ジョージ・ステュワート=マレーによるスコットランド・ブレア城での歓待など、イギリスでの滞在に多くストーリーが割かれていました。
もちろん「連合王国」ならではのイングランドスコットランドの違いもしっかり描かれていて、非常に読み応えがありました。
後の日英両国の交流の変遷を考えると複雑な思いでしたが、この時の訪問が後世の昭和天皇の君主観に影響を与えたのは間違いないでしょうし、その事がストーリーからも感じさせられたのはさすがだと思いました。

一方で日本では、着々と裕仁親王を摂政に擁立する動きも。
次巻では、摂政宮としての裕仁親王を見ることになりそうです。