やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

新九郎、奔る! 第5巻・第6巻

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久々にゆうきまさみ先生の「新九郎、奔る!」の感想を。
荏原編からビッグコミックスピリッツの隔週連載に移籍したので、新刊発刊のスピードが早くなっていますね。

新九郎、奔る! 第5巻

領主名代として東荏原で日々奮闘する新九郎。
命を狙われたり、周囲の領主や家臣、そしてつる姫に翻弄されたりと東奔西走する状況は変わらないですね。

そのような中、幕府内で起こった政変で窮地に陥った父盛定を助けるために新九郎は再び京の都へ。結局、隠居することになった盛定の後を受けて家督を相続します。
そして京では、細川勝元伊勢貞宗など馴染みの面々に加えて、ついに幼少の聡明丸(後の細川政元)が登場。
時の経過と共に、世代交代が進みつつあるようです。

ただ、将軍義政の覚えがめでたくないためか、はたまた気まぐれのためか、新九郎は家督を相続しても無位無官からのスタートということに。
自分自身の意志で運命を動かすことが出来ない新九郎の境遇は、領主となっても変わらないようです。

新九郎、奔る! 第6巻

領主となり東荏原に戻った新九郎を待ち受けていたのは、境界争いに端を発した西荏原の伊勢盛頼と那須資氏との一触即発の状態でした。
どうなるかと思ったのですが、ここで今も現存している法泉寺の新九郎自筆の禁制文書を絡めてきたのはなるほどと思いました。

一方で、これから新九郎が深く関わって行く関東の情勢の描写も。
太田資長(道灌)の描写にはびっくりしましたが、1巻の上杉龍若(顕定)の家督相続時にもしっかり顔出ししていたので、最初からゆうき先生は道灌の描写をこのように決めていたようですね。
ですが、ゆうき先生らしい自信満々な道灌像だとは思いました。

荏原の争いを収める一方で、つる姫との初恋とその顛末があったりと、そろそろ荏原編も終わりが近づいているような感じが個人的にはしました。
ただ、新九郎が深く関わることになる駿河での騒動の発生にはまだ時間があるので、次は再び京が舞台になるのかなと思っています。