やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

やはり巨大企業が「中小企業化」するのには釈然としないものがあります

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以前、毎日新聞社が「中小企業化」すると言う話を聞いて、この日記でも記事を書きましたが、今度はJTBですか。
ただ、シャープの時とは異なり、今回はマスメディアが先鞭をつけていますしね。
さすがに批判はし辛いとは思います。

ちなみに、これまでに減資を表明したスカイマーク毎日新聞社、JTBは、いずれも中小企業基本法上は「製造業その他」になるので、資本金3億円以下に減資することで「中小企業」になることは可能です。

中小企業者の定義
独立行政法人中小企業基盤整備機構のウェブサイトより抜粋

ですが、3億円にとどまらず1億円まで減資を行うと言うことは、「中小法人向け税制の適用」を受けようとしているわけですね。
その主な税制は下記の通りです。
法人税率の優遇に加えて損金算入の範囲が広がるなど、非常に有利な軽減が適用されることがよく分かります。

中小法人向けの主な税制
財務省のウェブサイトより抜粋

ただ、いかにコロナ禍で経営が苦しいからと言って、法令で認められているからと巨大企業が「中小企業化」するのには釈然としないものがあります。
かつて、中小企業向けの適用が想定されていた民事再生法を巨大企業が相次いで利用したことを思い出しました。

もともと大企業に比べて経営資源に乏しいからこそ、中小企業には中小企業基本法などに基づく支援や税制上の優遇措置が図られているわけですしね。
違法とまでは言いませんが、相次いで「中小企業化」を進めた巨大企業には我が国の経済を支えているという矜持(プライド)が無いのかとだけは言いたいですね。