やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

昭和天皇物語 第8巻と海帝 第8巻

スポンサーリンク

f:id:yaneshin:20210530224221p:plain

昭和天皇物語と海帝の第8巻が発売されたので、早速購入して読んでみました。

昭和天皇物語 第8巻

今回は、満洲某重大事件こと張作霖爆殺事件の事後処理から満州事変の勃発まで。
様々な事件が発生する中で、個人の感情と君主の責務との間で揺れ動く若き昭和天皇の姿が印象的でした。
帝王教育を受けたと言っても、まだ二十代の青年ですしね。
そのような時に、鈴木貫太郎侍従長として近侍するようになったのはせめてもの幸運だったのではないかと思いました。
年代的には、あの阿南惟幾が侍従武官になっている頃なので、今後、作品への登場を楽しみにしています。

読んでいて意外だったのは大日本帝国憲法下の天皇が、明治天皇以来親政を行う専制君主では無く、あくまでも立憲君主の枠内に留まっていたと言うことですね。
それ故に、統帥権干犯問題が噴出したり、天皇親政への動きが出てきたりと、天皇周辺が常に騒がしい状況下に置かれているのだろうと思いました。
ただ、統帥権干犯問題については当時の政党の党利党略も問題だった訳で。
政治体制は異なりますが、政党政治に関しては今も昔も変わらないなと思いました。

海帝 第8巻

海帝は早くも第三次・第四次航海へ。
第一次航海が丁寧に描かれていたので、かなりスピードが上がったなと思っていたのですが、次巻で完結ですか。
じっくりと鄭和の物語を堪能したかったので少し残念です。

以前から感じていましたが、航海先の風俗や人ならざるものの描かれ方は宗像教授異考録などの宗像教授シリーズを彷彿とさせます。
星野先生の真骨頂ですね。
鄭和を「棄教者」としてつけ狙うアラビア商人などとの戦いなど、大立ち回りも満載で今回も満足出来る話ばかりでした。

史実での鄭和の航海は計7回で残りは3回ですが、次巻で果たして最後まで描かれるか。
そこは気がかりですね。