昭和天皇物語と海帝の第8巻が発売されたので、早速購入して読んでみました。
昭和天皇物語 第8巻
今回は、満洲某重大事件こと張作霖爆殺事件の事後処理から満州事変の勃発まで。
様々な事件が発生する中で、個人の感情と君主の責務との間で揺れ動く若き昭和天皇の姿が印象的でした。
帝王教育を受けたと言っても、まだ二十代の青年ですしね。
そのような時に、鈴木貫太郎が侍従長として近侍するようになったのはせめてもの幸運だったのではないかと思いました。
年代的には、あの阿南惟幾が侍従武官になっている頃なので、今後、作品への登場を楽しみにしています。
読んでいて意外だったのは大日本帝国憲法下の天皇が、明治天皇以来親政を行う専制君主では無く、あくまでも立憲君主の枠内に留まっていたと言うことですね。
それ故に、統帥権干犯問題が噴出したり、天皇親政への動きが出てきたりと、天皇周辺が常に騒がしい状況下に置かれているのだろうと思いました。
ただ、統帥権干犯問題については当時の政党の党利党略も問題だった訳で。
政治体制は異なりますが、政党政治に関しては今も昔も変わらないなと思いました。