やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

補助金などの益金算入も税収増に繋がっているのではと思います

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コロナ禍で経済が低迷していると思われがちなのですが、税収は増えたようです。
上記の記事では、消費税率引き上げによる税収増や法人税収が当初の見積もりを上回ったことなどが要因と書かれていますが、税率が上がった消費税はともかく、法人税収が予測を上回ったと言うのは意外でした。

法人税収が想定よりも上回った理由としては、コロナ禍で飲食業を中心に業績が低迷している一方で、コロナ禍の影響により逆に恩恵を受けている企業も相当数あるのではないかと思ったりしています。
また、製造業は貿易が堅調であれば売上が大きく落ち込むことも少なそうですしね。
この辺りは業種別の業況を様々な経済指標で探る必要はありそうです。

ただ、法人税収増加のもう一つの要因として、個人的にはコロナ関連の各種補助金助成金による雑収入の増加もあるのでは無いかとも思っています。

昨年書いた記事です。
この時に感染拡大防止協力金は非課税にならないと書いたのですが、どうやら今も所得税法施行令が改正されないまま、各種補助金助成金は雑収入として益金に算入される状況は変わっていないようですね。
簿記の知識のあれば分かりますが、企業の利益については簡単に書けば、本業の利益である「営業利益」から営業外収益と営業外費用を加減して「経常利益」を算出し、後は特別利益と特別損失を加減して法人税等(法人税、住民税及び事業税)を差し引くことで「当期純利益」が計上されます。
ちなみに各種補助金助成金は雑収入として営業外収益に分類されます。つまり、各種補助金助成金を受け取ると収益の増加となり利益増加の要因となるわけです。

また、各種補助金助成金法人税の課税所得にも影響を与えます。
法人税の課税所得はこれもまたざっくり書くと益金から損金を減算して算出されますが、各種補助金助成金は益金とみなされて課税所得を増やす要因になります。
すなわち、本業で損金が益金を上回っていても、各種補助金助成金を受給することで益金が損金を上回れば、法人税を納付する羽目になるわけです。

もちろん、各種補助金助成金が課税所得を引き上げる大きな要因になるかについては、企業の規模や業況にもよるとは思います。
ただ結果として、本来であれば全額が事業を継続するための資金として供されるべき各種補助金助成金に税金がかかることで、その効用が減殺されているのは残念だと思いますね。
本気でコロナ禍の経済政策として考えるのであれば、この各種補助金助成金の益金算入についても特例を設けるべきだったのではないかと個人的には思います。