やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

新九郎、奔る! 第8巻

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表紙は顔も性格も濃い駿河守護今川義忠。
新九郎が表紙を飾らないのは初めてではないでしょうか?

長らく続いた応仁の乱も、文明5(1473)年の西軍の総帥山名宗全と東軍の総帥細川勝元の相次ぐ死によって転機を迎えます。
そして、いよいよ勝元の嫡男聡明丸(後の細川政元)が表舞台に登場。
後世、半将軍と呼ばれるほどの権勢を誇る政元ですが、奇矯な性格でも知られており、この作品でも幼いながらその片鱗を見せていますね。
後に新九郎が振り回される様が目に浮かびそうです。

一方、新九郎は姉伊都の出産祝いのために嫁ぎ先の駿河の今川家へ下向することに。
これまで太田道灌など上杉家中を中心に描かれていた東国ですが、そこにようやく新九郎が絡んできました。
初めて訪れた東国に興味津々な新九郎の「歴史オタク」ぶりな描写が、実にゆうき先生らしいと思いましたね。

そして、当主義忠の遠江への拘りが、ついに今川家に危機をもたらすことに。
次巻ではいよいよ、新九郎による1回目の今川家の内紛調停が描かれます。
今巻の伊豆での太田道灌との邂逅はその伏線だったのかもしれませんが、これから始まるであろう老獪な道灌との駆け引きに目が離せないかなと思っています。