今日はあいにくの天気だったので、久々に漫画をまとめ読みしていました。
その中から今回は、昨秋に完結した星野之宣先生の海帝9巻の感想を書いてみようと思います。
海帝 第9巻(最終巻)
最終巻だと事前にわかっていたので、残りの航海がすべて描かれるのかと心配だったのですが、きっちりと収められていてさすがは星野先生だと思いました。
結末はネタバレが過ぎると思うのであえて書きませんが、駆け足ながらも伏線の回収や因縁の決着が図られていて、個人的には大団円を迎えられたのではないかと思います。
永楽帝と鄭和の関係は、因縁という言葉で表すには生ぬるいような緊張感が最後までありました。
歴史の授業では永楽帝の「寵臣」として航海を行った程度しか知らなかったのですが、皇帝と「寵臣」という関係をも超越した感じでしたね。
永楽帝は鄭和の生き方については羨ましさがあったのでしょう。
それが鄭和への愛憎半ばな態度に繋がったのかなと思います。
鄭和の航海記録は公式のものが既に失われているため、ほとんどが推測の域を出ませんが、世界各地の民俗と掛け合わせて一つの物語へと仕上げたのは、宗像教授シリーズを長らく執筆した星野先生だからこそ可能だったのだろうと思います。
遅くなりましたが素晴らしい作品に出会えて良かったと思っています。