予想通りの結末になったかと。
ブランドイメージをこれ以上毀損させないためには、根を断つことが最も手っ取り早い方法ですし。
フランチャイズ店だからこそここまで素早い対応ができたという見方もあるようですが、営業をやめるだけなのでフランチャイズ店、直営店のどちらでも閉店のスピードは変わらなかったと思いますね。
ただ、今回のナメクジ騒動でフランチャイズという事業形態のデメリットが改めて明らかになったとは思います。
もともとフランチャイジー(フランチャイズ加盟店)側の立場の弱さから、特にコンビニエンスストアにおいて長時間労働などのデメリットは指摘されてきました。
しかし、今回はフランチャイザー(フランチャイズ本部)側のデメリットも浮き彫りになったように思います。
それは、フランチャイジー独自の行動によるブランドイメージ毀損のリスクです。
基本的に契約に沿って事業を行う限りは、フランチャイザーから提供された権利やノウハウ、商品や食材などをフランチャイジーは自由に使えるので、フランチャイジーは独自の判断で事業を行うのが普通です。特に大阪王将はフランチャイズ契約の自由度が高いという話なので、よりフランチャイジー独自の行動が多かったのだろうと思います。
それがブランドイメージの向上につながれば問題ないのですが、問題となるのはフランチャイジーが必要なコストを削って利益を確保する方向にその自由度を発揮した場合ですね。
当然ながら提供する料理や商品、サービスなどの質は低下しますし、そのことがフランチャイザーのブランドイメージを毀損することは容易に想像できると思います。
今回の有限会社ファイブエム商事の企業行動は、大阪王将のフランチャイジーとして、まさにこれに当たる話ではないかと思いました。
フランチャイズというビジネスモデルは、そもそも自前の資本をなるべく使わずに多店舗展開を行うものですが、統一されたブランドイメージから外れた行動をフランチャイジーが取る可能性はどうしても出てきます。
フランチャイズの活用は、企業の飲食店としての理念や成長戦略と照らし合わせて考える必要はあると思います。
特に飲食業界でフランチャイズを活用することが、果たして正しいことなのかはしっかりと考える必要があるでしょう。
フランチャイズによって多店舗展開を行えば、確かにスケールメリットによって利益を上げられるのかもしれませんが、果たしてその企業が経営する飲食店にふさわしい手法なのかは考えるべきでしょう。
先日の日記ですかいらーくの記事を引用して多店舗展開の弊害を簡単に書きましたが、個人的には飲食店が必ずしも量的拡大に走る必要はないと思っています。
少数精鋭で質を追求する方法もありだと思いますし、問題はどのような飲食店を目指すかといったところでしょう。
このコロナ禍で多くの飲食店が打撃を受けましたし、今もなお受けています。
円安とそれに伴う食材の価格高騰もありますし、これまでの飲食店の成長モデルを再検討する必要は出てきているのではないでしょうか?