やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

2022年NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」完結

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昨日、ついに今年の大河ドラマである「鎌倉殿の13人」が完結しました。
三谷幸喜氏の脚本ということでもちろん期待していましたが、全48話を視聴し終えて個人的に感じたのは三谷氏の脚本に対する満足感と戦慄でした。
とにかく期待以上の答えをいただいたような気はします。
第16回以降、物語を追うことに精一杯で感想を書けなかったのですが、一区切りついたので今回は作品全体を通した感想を書いてみたいと思います。

タイトルの「鎌倉殿の13人」に込められた意味が個人的な予想を超えていました

もともと「鎌倉殿の13人」というタイトルは、第二代鎌倉殿である源頼家を支える「十三人の合議制」から来たという話でした。
実は「鎌倉殿の13人」というタイトルについては、「十三人の合議制」以外に込められているものが別にあると思っていました。
個人的には北条義時の後を受けて執権になった泰時のもとで成立した、執権・連署と11人の評定衆という13人の意味も込められているのではないかと思っていました。
史実で「十三人の合議制」がのちに崩壊したのは知っていたので、その挫折の上に泰時が新たな13人で鎌倉を作っていくといった予想をしていたんですよね。
ところが最終回になって予想外なもう一つの13人が明かされました。
そこで感じたのは、三谷さんが描きたかったのはあくまでも義時一代の物語であり、血みどろの権力闘争と粛清劇の果てに築かれた坂東武者の世界だったのだというところですね。
ともかく三谷脚本といえばこれまでコミカルな印象を受けることが多かったのですが、今回は随所で三谷脚本の凄みを感じさせられ、最後まで見ることができて良かったです。

大きく変わった北条義時だったからこそ、変わらなかった三浦義村とは良いコンビであったのだろうと思います

この「鎌倉殿の13人」で物語の最初から最後まで出てきた人物は数えるほどしかいませんでしたが、その中でも個人的に注目していたのが主人公北条義時と従兄弟の三浦義村との関係性でした。
それぞれの父親である北条時政と三浦義澄の昔馴染みの関係とは異なった、どこか緊張感がはらんだ関係性でいつ破綻してもおかしくないなと思いながら見ていました。
義村は味方をしたり裏切ったりとずいぶん忙しい人物でしたが、彼なりに三浦一族の生き残りをかけて必死だったんだろうと思います。
だからこそ義時とは、つかず離れずの絶妙な距離感で付き合い続けてきたのだと思います。親密すぎても離れすぎても他の御家人と同様に粛清されていたでしょうしね。
あと、義村で特筆すべきなのは「変わらなかった」ことでしょうね。外見も内面も。
その「変わらない」義村の視点が、より義時の変貌ぶりを際立たせていたのではないかとも思います。
物語を通じて良くも悪くも大きく変貌した義時と変わらなかった義村、当人同士どう思っていたかは分かりませんが、はたから見れば良いコンビだったのではないかと思いますね。

言葉が出なかった最終回のラストシーン

大河ドラマのラストシーンはたいてい、主人公の死かその死後の後日談ですが。
今回の「鎌倉殿の13人」もその例にもれませんでしたが、その最終回のラストシーンは言葉が出ないほど壮絶でした。
特に最終回の終盤、周囲の人々に裏切られたり傷つけられたりしながらもなお修羅の道を歩み続けるのをやめなかった末に引導を渡された瞬間の義時の姿が強く印象に残りました。
これほど凄惨で愛情に満たされた主人公の最期を見たのは、これまで見た大河ドラマの中でも初めてでしたね。
この最期を見ただけでも今回の大河ドラマを見続けて良かったと個人的には思いました。

最後に

ここまで書いても、この「鎌倉殿の13人」の感想についてはまだ書き足りないですね。
とにかく、素晴らしい大河ドラマを見させてもらいました。
また三谷脚本の大河ドラマを見ることができればと思っています。