やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

新九郎、奔る! 第18巻

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ネタバレ注意
新刊の内容に触れている文言があります。ネタバレになる可能性もあるのでご注意ください。

表紙は切れ者ながら奇行が多い京兆家当主細川政元
前巻で運が向いてきたと思われた新九郎ですが、将軍義尚死後の後継争いで再び窮地に。

鈎(まがり)の陣に参陣するも将軍義尚へ謁見できない新九郎。
伊勢本家の貞宗らに対する新九郎の話ぶりからも、義尚の身体への心配は感じられましたが、細川政元が指摘する通りに義尚の側に居られなかった新九郎も幕臣としては責があったのは否定できませんね。
ただ、運悪くお家の一大事が重なったこともあったので、新九郎が悪いということは一概には言えませんが。
義尚の早逝は賢臣を遠ざけ佞臣を近づけた彼自身にもあったとは思います。
もっとも、これもまた、将軍就任初期に大御所の義政に実権を握られた鬱屈が遠因ではあるでしょうが。

義尚の薨去とともに勃発した後継争いですが、大御所義政の存命中は水面下の動きが続くことに。
しかしまあ、臨終の間際まで権力に執着する義政は凄まじかったですね。
口では若年を理由にしていましたが、結局は他者の想いを無視して自分の利益のみを追求していただけだと思いました。義視も義尚もその犠牲者と言えるかもしれません。

ですが、その義政もいよいよ薨去
ここからはあの日野富子の出番でした。
日野富子がなぜ敵対した義視の子の義材を後継に選んだのかは不思議でしたが、日野家の姫の子ということであれば話は別ですね。
政所執事である貞宗も富子につき、細川政元も不承不承の体で支持に回ったため大勢は決することに。

ここで窮地に追い込まれたのが新九郎。
清晃を将軍位に就ける約束で堀越公方足利政知より所領をもらっているので、再び貧乏に逆戻りする危機に。
荏原の本領や、駿河の沼地だらけの所領だけでは足りないでしょうしね。

目があるとすれば、将軍義材に仕えることになったというところですが。
伊豆の所領の件もあり、新九郎にとっては気が休まらぬ日々はなお続くようですね。