やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

クニミツの政(まつり)

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最近、リアルタイムで読み続けているコミックの一つに、このクニミツの政(まつり)があります。
少年誌で政治を取り扱った珍しい作品なのですが、政治に対する根本的な疑問なんかが結構わかりやすく説明されていて、私自身はとても面白い作品だと思っています。

今日発売のマガジンで第53幕が掲載されていたのですが、今回読んでみて思い出したのが、政(まつり)という言葉の由来でした。

政と書いて「まつりごと」と読むことはご存知の方は大勢いると思います。
まつる………古来、これらの言葉と政とは同じ意味をもっていました。すなわち神を奉じて民を統べる、もともと祭祀を司る中心人物が時を経て大王(おおきみ)と名乗り天皇を名乗った、我が国の歴史は神をまつることがすなわち政治を行うことでした。

また祭り自体も神々への奉納という目的を持っています、例えば、有名な岸和田の祭礼(だんじり)も、最終的には岸城神社などへ「宮参り」を行いますよね、この事も、神々をまつるという言葉が変遷していった名残だったりします。

何が言いたいのかと言えば、政治も祭礼も元をたどれば「まつる」と言う一つの源へと向かうわけです。
それと、一つの目的に向かって人々が一丸になると言うことでしょうか。これが政(まつりごと)なんだろうと思います。

ところで、クニミツの政(まつり)を初めて読んだ時、
「何で市町村レベルの政治を取り上げるんだろう?」
と疑問に思った事がありました。
でも、今の話の展開を見ていると、何となく納得出来るような気がします。

一番、人々を見る事が出来る場所だからなんですよね。
そして、市町村の政治は空念仏の理念では動きません。
ただ、トップ次第では劇的な変化を起こすことが可能な場所でもあるのです。

以前にも書きましたが、今、市町村の合併が進もうとしています。
理由としては、基礎自治体を減らすことで地方交付税交付金などのいわゆる地方財政関係費の削減を目指す政府の思惑や、実際に昨今の不況による歳入減で自治体として成り立たなくなる基礎自治体が増えつつあるという現実などがありますが、おそらくは数年を経ずして、かなりの数の市町村が減る事は火を見るよりも明らかではあろうと思います。

私はこれを機会に市町村の政治に目を向けてみてはどうかと思います。
実際に私の地元の大阪でも実に様々な市町村があります。
歳入不足を補う為に新税をひねりだす市、豪華な町役場を建てたがために借金の返済に苦しむ町、財政再建団体となる一歩手前の市、いろいろあります。
理念が先走りがちな国政と異なり、市町村では実益が重視されるように思います。それは市町村という存在がより我々に身近な存在であるという証左であるからだと思うのですが、それゆえに政治というものがより深く理解できるようになるはずだと私は思うのです。

一度、住んでいる街に目を向けてみてはどうでしょうか?
少なくとも損にはならないと思いますね。