やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

21世紀最初の終戦記念日

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各地でさまざまな行事が行われていましたね。

ところで太平洋戦争開戦当時、冷静に先の戦局を読んでいない軍人がいなかったのかと言えば、全くいないわけではありませんでした。
特に高級軍人の中では有名な二人の人物が日本の敗戦を予言していました。

一人は、当時陸軍予備役中将だった石原莞爾、そしてもう一人が、当時連合艦隊司令長官として真珠湾攻撃を指揮した海軍大将山本五十六でした。

まず石原中将は「この戦争は負けますな」という言葉から始めて、次のように話をしたそうです。

「戦争のため仮に一万円の金が必要であるとすれば、アメリカは百万円持っている。これに対して日本はわずか千円しか持っていない。それだから千円を使うまではよいが、それから先は文なしで、手も足も出なくなる理屈さ」
(横山臣平著・「秘録石原莞爾」より)

一方山本大将は前年の昭和15年に、原田熊雄男爵(元老・西園寺公望公爵の側近)との会食の中で次のように述べています。

アメリカと戦争するということは、ほとんど全世界を相手にするつもりにならなければ駄目だ。ソビエトと不可侵条約を結んでも、ソビエトなど当てになるもんじゃない。アメリカと戦争している内に、その条約を守って後から出て来ないと誰が保証するか。自分は、もうこうなった以上、最善を尽くして奮闘する。そうして長門の艦上で討死にするだろう。その間に、東京あたりは三度ぐらいまる焼けにされて、非常にみじめな目に会うだろう。そうして、近衛だのなんかが、国民から八ツ裂きにされるようなことになりゃあせんか」
(正確な参考文献は不詳)

ただし、これらの意見というのは少数派であり、当然ながらこれらの意見は開戦当時の狂乱の中で埋もれていってしまいました。いつの時代でも、敗戦を予言する人々に待っているのは、無視、非難、迫害、そして忌避といった単語なのかもしれません。