やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

裏切り金吾

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とある人物がとった何気ない行動が、後世の歴史を大きく動かした例は、それこそ枚挙に暇がありません。その中でも日本史上あまりにも有名な人物についてのお話が、今月号のコミック乱に掲載されていました。
題名は裏切り金吾。
そしてその題名に謳われた金吾とは、金吾黄門豊臣秀秋。
そう、関ヶ原で裏切ったとされたあの小早川秀秋です。

(ちなみに金吾とは、秀秋が13歳の時に叙任された左衛門督の唐名執金吾から、黄門は秀秋が隆景の後を受けて、筑前国名島城の城主になった時に叙任された中納言唐名から来ています)

今回の作品は他のよく有る作品とは異なり、秀秋の裏切りの理由を、亡き太閤豊臣秀吉の養子同士であった羽柴秀家(宇喜多秀家)への対抗心や、強烈な豊臣家の親族筆頭としての自負からであるととらえられていて、結構楽しく読む事が出来ました。
(この作品では、宇喜多秀家は豊臣姓ではなく羽柴姓であったとされています)
確かにそのようにとらえれば、秀秋が秀家の旧領であった備前・美作51万石を領有した理由も理解出来るかなと思いました。

ただ、彼にとって不幸だったのは、結果として裏切ってしまったという点と若くして死んで家を絶やしてしまったという点ですね。
この事によって弁護する子孫がいなかった彼は、それこそ生者の都合の良いように悪い事績が喧伝される羽目になってしまったのですから。
生きて子孫を残していれば、これ程酷い目には遭わなかったのでしょうけどね。