やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

記者たちの関西事件史

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三菱銀行北畠支店立てこもり事件から大阪地検特捜部押収資料改竄・犯人隠匿事件まで、ほぼ三十年の間に関西で起こった数々の事件を新聞記者の視点から書かれた一冊。
事件に直面した記者の当時の心情が多く書かれていて、同時代を地元で生きた身としては、とても共感するところが多かったです。

中でも多くの頁が割かれていたのは、グリコ・森永事件、タイ航空機爆発事件、阪神・淡路大震災、神戸児童連続殺傷事件、大阪教育大附属池田小児童殺傷事件、JR福知山線脱線事故の六つ。
いずれも関西の人間ならば記憶に生々しい事件の数々です。
特に阪神・淡路大震災は、当時の緊迫した状況が生々しく書かれていて、混乱の中で親族の安否確認に奔走した当時の私自身を思い出してしまいました。

ネットの普及で多くの人々の情報が共有されたことにより、相対的にメディアの必要性は低下してきてはいますが、情報収集のプロとしての新聞記者の生の話を知ることは決して無益では無いと思いました。
これらの証言は、やがてリアルタイムな事件が歴史となった時に重要な資料になるであろうと思いますね。