やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

そもそも外部環境に責任転嫁をしている段階で創業などは無理でしょう

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こちらでの記事で前提とされていた4つの俗説については突っ込みどころは満載なのですが、その中で4つ目の「若者が起業すると失敗して借金を背負うか、成功して上の世代の経営者に睨まれて警察に逮捕されるかのどちらか」という点に絞って話をしてみたいと思います。
借金?逮捕?
そんなものは、これまでの我が国の経済史上何度も繰り返されてきたことだったんじゃないでしょうか?
成功して上に睨まれた有名な起業家には三井高利氏がいますよね?
言うまでも無く、今の三井グループの基礎を築いた人ですが、自らが興した越後屋の斬新な商法が、他の同業者から忌避されて様々な迫害に遭ったのは有名な話です。
現在のトヨタグループの基礎を築いた豊田佐吉氏も、当時女性が使うものとされた機織り機を自動化する取り組みをやって世間から変人扱いされましたし、運送業から宅配便への一大転換を行なったヤマト運輸小倉昌男氏も、同業者や監督官庁であった旧運輸省との対立に悩まされていました。
要は、どの時代にあっても、新しい技術やビジネスモデルというものは、時の秩序と対立するのは当たり前だったわけです。そのような中でも成長して来れたのは、それが真に社会にとって有益であると考える人が多かったからに他なりません。
どれほど斬新なものであっても、社会に有益であるという多くの支持が無ければ廃れて行くのは当然だと思います。
それを、体制や既得権益者へ責任転嫁するのは、少し、起業家としては甘いんじゃないかと思いますね。

そして、借金についてですが。
まずは、何のために借金をするのか?ということを問いたいですね。
事業者が行なう借金は、大別すれば2つに分けることが出来ます。
すなわち、設備に対する借金と事業運営に対する借金です。
前者の場合は、設備を導入することでどれだけの売上、あるいは利益が計上出来るかという予測が大切になります。そして後者の場合は、これから入ってくるであろう売上代金とすぐに支払わなければならない仕入代金や必要経費とのギャップをどれだけ埋めることができるかという予測が大切になります。
どちらにしても、大切なのは予測であり、それに基づいた事業計画です。
それさえも考えずに、ただ可能性だけを追い求めているだけならば、それは借金を増やすだけに過ぎないと思います。
そしてまた、計画を立てるということは、安易な借金を抑制することにも繋がります。
事業の起業イコール借入という考え方をしているならば、それは考え直した方がいいでしょう。
起業を行なうにあたっては、借入以前に考えないといけないことはたくさんあります。

どちらについても言えることは、自分で事業を起業しようと考える時は、自分の頭で考えて自分で何とかするという心構えで行かないと、結局は、社会や法律、同業他社や市場などといった外部環境に負けてしまうだけだと思います。
特に外部環境などというものは、自分一人だけではどうにも変えることが出来ないわけですから、この場合は自分がどのように変われるかが鍵になるでしょう。
自分が変わることで、敵対していた外部環境を取り込むことが出来るようになるかもしれません。
自分が違う市場へ移ることで、市場内での摩擦を減らせるかもしれません。
どんな変わり方にしても、結局は自分次第ですね。
少なくとも、自分のせいでは無く、外部環境などの他者に事業失敗の責任を押し付けている内は、大したことは出来ないのでは無いでしょうか?