やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

今回の吉本騒動で一番得をして嗤っているのは反社会的勢力でしょうね

スポンサーリンク

先週土曜日の宮迫さんと田村さんの会見、そして今週月曜日の吉本興業岡本社長の会見の双方を見ました。
どちらもノーカットで見れるのは、発信される情報が恣意的に編集されることがないという点でとても良かったと思います。
当事者によるネットでの発信が一般的になってきた故でしょうね。
この双方の記者会見、そしてその後の芸人さんなどの反応などで感じたことを長文ですが書いてみたいと思います。

反社会的勢力排除の限界と失敗に非寛容な社会

騒動がここまで拡大したのは、宮迫さんが反社会的勢力からギャラを受け取っていないという「嘘」をついたことが発端であり、その点について責任は免れないと個人的にも思います。
ただ、その点については同情すべき部分はあると思います。
暴対法施行以降、指定暴力団は表立って代紋を出さなくなりましたし、外見から反社会的勢力かどうかを区別するのは困難になっています。
また、どこまでが反社会的勢力かという問題もあります。
そのような状況下で、相手が反社会的勢力かどうかを確認するには、警察などとの日頃からの情報交換で対応する必要がありますし、それが無理なら、あらかじめ反社会的勢力ではないという宣誓書を徴求して対応するぐらいしか考えられません。
どちらの対応策も直営業という個人営業を行なっている中では、難しい対応策だと思いますね。

また、とっさに「嘘」をついた点についても、失敗をしたら全て終わるという恐怖感があったのではとも思います。
その恐怖感から逃れることができる人はなかなかいないと思いますね。

以前、幡野広志氏のツイートにこのようなコメントを書きました。
誰もが強い心を持っているわけではありません。
起こした事に対してケジメをつける必要はあると思いますが、再起できないまでに徹底的に非難するのはやり過ぎだと思いますし、そのような非寛容な社会から果たして活力が生まれるのかという疑問も個人的にはあります。

ガバナンスやコンプライアンス以前に顧問弁護士の対応があまりにもお粗末だと思いました

そして、双方の記者会見を見て感じたのは、法令の専門家である吉本の顧問弁護士の対応があまりにもお粗末だったことですね。
正直、本当に法令の専門家なのかと思いました。
騒動が起こってからの対応が後手後手ですし、宮迫さんや田村さんへの対応はもちろん、対外的な対応もお粗末でしたし、何よりも吉本興業の岡本社長にあの想定問答も準備してなさそうな記者会見をさせたことには猛烈な違和感を感じました。
吉本は興行会社ですから、マスメディアや芸人さんたち、さらには様々な海千山千の企業や人々を相手にしなければいけませんが、その中で法令リスクに対応する顧問弁護士があの体たらくなのは、さすがにありえないと思いました。
まあ、ケチの吉本が顧問料を安くあげていたとか、意見を言っても吉本の首脳陣が話を聞かなかったのであれば話は別ですけどね。
それでも、もっと真っ当なリスク対応を行うガバナンス(企業統治)やコンプライアンス法令遵守)に長けた弁護士先生は地元大阪にもたくさんいますし、さすがにこれは無いだろうとは思いました。

ダウンタウンやハイヒールなど、NSC(吉本総合芸術学院)出身芸人が吉本芸人の主流になって久しく、吉本興業と芸人さんたちとの関係もかなり変化しています。
その変化に対応することは急務でしょうし、契約の明文化や反社会的勢力への対応なども含め、さすがにケチの吉本も法務部門にしっかりとお金をかけるべきではないかとは思いました。

最後に一番得をして嗤っているのが反社会的勢力であることは認識すべきでしょう

騒動勃発から双方の記者会見、そしてその後の芸人さんたちのネット上、メディア上での発言などで、吉本興業周辺はまさに混乱の極みであると傍目からも感じます。
ただ、これらの反目等についてはネットの普及で見える化されただけで、これまでも会社側と芸人側の揉め事は絶えませんでしたし、これからもそうだと思います。
大切なのは、双方が胸襟を開いて話ができる環境にあるかというところでしょう。
その点では、吉本興業に多大な貢献をしている大物芸人さんなどが事態の収拾に動いているようなので、そこに期待はしたいと思います。
そこから、吉本流のガバナンスやコンプライアンス態勢の構築がなされれば、災い転じて福となすといった状況になるのではと思います。

最後に。
今回の騒動が長引けば、吉本興業側も芸人側もますます傷付いていくだけで得るものはどんどん少なくなると思います。
逆に一番得をして嗤っているのはこの騒動のきっかけを作った反社会的勢力だと思いますね
今回の騒動で、吉本興業と芸人さん双方が対応を誤ると、反社会的勢力に付け入る隙を与えるだけではなく、今後も反社会的勢力にカモにされてしまう懸念が非常に高いと個人的には思います。不注意で一緒に撮った写真で強請られる可能性なども大いにありえるでしょうし。
ゆえに、早期に事態を収拾して反社会的勢力に付け入る隙を与えないようにすることが肝要だと思いますし、マスメディアや世間の冷静な反応も必要だと思います。
地元大阪で生まれ育って、日常的に吉本の笑いに接してきた1人の大阪人としては、早く事態が収拾してくれればと思いますね。