やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

皇国の守護者8

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暁の天使たちの外伝に気を取られてて気付くのが遅れたのですが、佐藤大輔先生の皇国の守護者の最新巻も出てるのを見つけたので速攻で購入しました。
で、早速読んでみたのですが、相変わらずの濃密なストーリーと独特な文体に思わず一気に読んでしまいました。

ちなみに皇国の守護者という書名だけを出すと結構アブない系の書物のように思われるかもしれませんが、小説自体は大協約世界という架空の世界の中にある皇国という島国が舞台の戦争物であったりします。
この物語の面白さは、新城直衛という主人公の悪辣極まる、もとい強烈極まる個性的なキャラクターにも当然あるのですが、皇国と言うかつての近代日本を思わせる国の中で繰り広げられる群像劇にも見るべきものが多いです。膨大な資料に裏打ちされたリアリティや緻密さがひしひしと伝わってきます。
名目上の国家元首たる皇主と皇国の実権を握る五将家と呼ばれる五大軍閥、五将家の中の守原家と駒城家、軍人階級たる将家と一般の衆民、将家中心の陸軍と衆民中心の水軍などと言った二つの勢力同士の微妙な緊張関係も読んでて面白いです。
文体が独特なので慣れが必要かもしれませんが、買っても損は絶対にしない作品だと思います。