またまた感想を書くのが遅れました。
第十二回 十兵衛の嫁
タイトル通り、十兵衛はようやく嫁を迎えることに。
ただ、嫁に迎えるまでの流れがいささか拍子抜けでした。
もう少し雰囲気を作っても良かったのではないでしょうかねえ?
一方、もう自分の命が短いと悟った織田信秀は、今後のことを信長らに告げるも、信長は激怒。
その後の帰蝶の立ち回り方が、まさに斎藤利政(道三)の娘らしいと思いました。
もちろん、自身の身を自分で守るということもあるでしょうが、信長の意を汲み、時には自ら動き、そして、時に信長を嗜めるその姿は、これまで幾度となく演じられた帰蝶像としては最も好ましいと感じました。
そして、ついに美濃の守護土岐頼芸が斎藤利政へ「刺客」を放ち、両者の亀裂は決定的に。
利政は頼芸を討つ決心をしますが、子の高政や稲葉良通ら国衆は密かに離反を画策し、美濃が二つに割れる危機に。
この美濃の危機に十兵衛がどのような行動を取るかが見物でした。
第十三回 帰蝶のはかりごと
前回、美濃が真っ二つに割れると盛り上がったのですが、蓋を開けたら犠牲になったのは鷹ばかり。
十兵衛が行動するまでも無かったですね。
この斎藤利政の緩急をつけた対応は見事だと思いました。ただ、利政本人の人望が無いだけに、守護を追放した後も美濃は不安定な状態が続きます。
そして、東庵先生と駒の駿河行きのタイミングであの木下藤吉郎(後の秀吉)が登場。
佐々木蔵之介さん演じる藤吉郎は、女好きの飄々とした感じでなかなか面白い藤吉郎だと思いました。
そして舞台は、いよいよ歴史に名高い斎藤利政と織田信長の聖徳寺の会見へ。
あの鉄砲隊などの準備を、帰蝶が伊呂波太夫を通じて手掛けたという筋書きはなかなか面白い解釈でした。確かに帰蝶は利政の娘で父親の気性をよく知っているでしょうしね。
また、もともと織田家は交易の要衝を押さえていて裕福でしたしね。傭兵を利用するという発想も無いことはないとは思いました。
第十四回 聖徳寺の会見
帰蝶がお膳立てした織田信長の隊列に度肝を抜かれた斎藤家の面々。
その後、信長が正装で利政に対面したところまでは歴史上よく知られた話でしたが、その後、前田利家と佐々成政ら若い衆を引き連れて「これからは変革の時代」とはっきりと信長が利政にはっきりと言ったシーンが今回の白眉だと思いました。
このシーンがあったからこそ、利政が信長を大いに気に入るという方向に無理なく流れたでしょうし。
しかし、利政の「ああ、気に入った」という台詞は、本木さんでなければぴったりはまらなかったと思いますね。
斎藤利政と織田信長との信頼関係が盤石になった一方で、ますます険悪になる利政と高政との関係。
そしてついに、深芳野の死で転機が。
何を思って利政が高政に家督を譲ったかは分かりませんが、結果として破局に向かって一気に進んでいく契機になったのかなとは思いました。