やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

銀河英雄伝説 Die Neue These 第23話「さらば、遠き日」

スポンサーリンク

銀河帝国ローエングラム艦隊章

今週放送された、銀河英雄伝説 Die Neue These 第23話「さらば、遠き日」のネタバレ有りの感想です。

ついに第二期のクライマックスへ

原作を知っているので結末は分かっていたのですが、このキルヒアイスの結末は、どのような媒体で描かれても毎回辛さを感じます。
ただ、それゆえに、ここでの描かれ方が銀河英雄伝説という作品のテーマを象徴しているのだろうとも思います。
人は必ず死にますし、生き残って欲しい人が必ずしも生き残るわけではありません。だからこそ、人の命というものは大切なものであり、その命を理不尽な形で奪って行く戦争などの争いはなるべく避けなければならない。
その事を強く意識させてくれた結末だと思います。
もっとも、銀河英雄伝説全編にわたって、このようなシーンは数多く見られるわけですが。

そして、ラインハルトの「人間味」も余すことなく描かれていたと思います。
ラインハルトはいわゆる天才であり、年齢に似合わない鋭敏さや識見を持つ優れた人間ですが、一方で感情に支配される20代前半の若者でもあります。
この「完璧超人」ではない「人間味」があるからこそ、銀河英雄伝説という作品によりリアリティが感じられるとも思いますね。

「正論」のオーベルシュタイン

一方、間接的に今回の悲劇の原因を作ったオーベルシュタインについてですが。
彼の言動と周囲の反応を見ていると、人は論理ではなく感情によって動くということがより強く感じさせられます。
オーベルシュタインは、正論でもっていかに速やかに課題解決を図るかというところに重きを置いていますが、そこには人の感情的な反発というファクターが入り込む余地はありません。
ですが、ラインハルト麾下の諸提督たちの言動からも分かるように、人の行動要因の中で感情が占める割合は非常に高いんですよね。感情的に納得するという過程を踏むことが出来なければ、たとえ課題が解決したとしてもしこりが残り、かえって別の問題が発生したのではないかと思います。
オーベルシュタインの言動は正論ですが、たとえ、戦乱が長引き多くの血が流されたとしても、大多数の人々が納得したのであれば、そちらの方が「相対的に」最善の課題解決になったのではないかと個人的には思ったりもします。
難しい決断だとは思いますが。

全てを失ったラインハルト

そして、ついに姉のアンネローゼもラインハルトの元から去ることに。
ラインハルトと対話するアンネローゼの描写は凄く良かったです。
特にアンネローゼの目の動きが素晴らしかったです。言外のアンネローゼのラインハルトに対する思いが伝わっているような気がしましたし。
このアンネローゼの真意は物語の最後の方で明かされるので楽しみに取っておこうと思いますが、それだけに是非続きのアニメ化は進めて欲しいなあと思います。

個人的には、これで第二期は事実上終わったなあと。
後はエピローグですね。
どうクロージングを迎えるかが楽しみです。

第二期の過去の感想