やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

今さらながら2023年NHK大河ドラマ「どうする家康」の感想を

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この間の48話でついに今年の大河ドラマ「どうする家康」が完結しました。
特にネット界隈では賛否が分かれた作品でしたが、最終回まで見た視聴者の一人として、今さらですが少しだけ感想を書いてみたいと思います。

山本正之さんの「戦国武将のララバイ」を地で行く話を大河で見るとは思ってみませんでした

まさか、山本正之さんの「戦国武将のララバイ」を地で行く話を大河で見るとは思ってみませんでした。
3番が家康の歌なのですが、歌詞は次の通りとなってます。(一部抜粋)

本当はのんほい 本当はのんほい
さむらい稼業がイヤだった
ほら貝聞くたび 槍を見るたび
いつかやめようと思とった
仮病をつかい 居留守をつかい
強いやつらには頭下げ
いつのまにやらカンちがいされ
がまんの武士だと唱われた
戦さが商売なんて
なんて空しい人生だろう
天下はいらない 笑顔がほしい

動画はこちら。
4分3秒から8分52秒のところで流れています。

寺島しのぶさんの「神君」を讃えるナレーションと松潤家康とのギャップも面白かったのですが、単に天下統一を成し遂げた偉大な人物という描かれ方だけではなく、人間臭い家康を見ることができたのは良かったと思っています。
もちろん、江戸時代を通じて神格化もされましたし、当時の家康の心の内は誰も知ることができませんが。
ただ、家康も一人の人間でしたから、迷った部分や怖気付いた部分もあったとは思いますね。
新たに発見された史実も入れられていて、これはこれで新しい家康像であったと思います。

戦乱の「毒」に蝕まれる人々

北川景子さんがお市淀君(茶々)の両方を演じたことが話題になりましたが、この意図は戦乱の世がもたらした「毒」をお市淀君でも体現させようとしたのではないかと個人的には思いました。
戦乱の世は多くの人が悲惨な死を遂げる地獄のような世界ですが、一方で自分たちが理想とする世界を目指すことも可能だった世界でもありました。

ただ、そんな理想に燃えた人物も戦乱の世の現実に直面し、やがてはその「毒」に飲み込まれて行きました。
象徴的だったのは中村七之助さん演じる石田三成だったと思います。
また、家康もそう言った「毒」とは無縁ではありませんでした。最終回で家康が「人殺し」と独白したのは、そんな毒まみれになった自分を自嘲したものだろうと思いました。
だからこそ、家康の天下平定がより光ったのだろうとも思いましたね。

個人的には楽しめた作品でしたが

そんなこんなで個人的には「どうする家康」は楽しめました。
ただし、大河ドラマとしてはもう少し重厚感があっても良かったかなとは思いました。何と言っても歴史を扱うドラマであって、連続ドラマなどのホームドラマではないですしね。
まあ、古くから数々の大河ドラマを見てきた老害の戯言かもしれませんが。

既に次の大河の2作品は決まっていますが、個人的には次の戦国物としては伊勢宗瑞(北条早雲)を題材にして欲しいと思っています。
伊勢宗瑞を主人公にすることで応仁の乱室町時代の東国の動乱などにスポットを当てることが可能になりますしね。
伊勢宗瑞自身も魅力的な人物ですし、できるだけ早く大河ドラマになって欲しいと思っています。

どうする家康 メインテーマ~暁の空~

どうする家康 メインテーマ~暁の空~