やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

ライブドア騒動について

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東京地検、証取法違反容疑でライブドア本社を家宅捜索
証券監視委もライブドア本社など強制調査
ライブドアは取引成立せず・関連各社も売り気配続く
いずれも、NIKKEI NETより。

昨晩からこの騒動について注視していたのですが、東京地検特捜部と証券取引等監視委員会が動いたということは、純然たる証券取引法違反による捜索ということですね。
ただ、子会社だけにあの特捜部が動くとは考えられませんので、おそらくはライブドア本社についても何らかの証拠を握っているというのが妥当な考えかもしれません。

ただ、今回のライブドアの捜索とヒューザー社長の証人喚問とが重なったことについては、疑惑隠しでは無いかという疑問がネット上で噴出しているようですが、私はあくまでも別件じゃないかと思っています。
一つ目は、わざとぶつけるにしてはあまりにもあからさまなので、実際は逆効果になるだけだと思うからです。本気でヒューザーの一件から目をそらそうと考えるならば、もっと巧妙な方法があるでしょうし。(今日、仕事柄いろいろなお客さんを訪問していたのですが、ほとんどの人が例外なくNHKの証人喚問の中継を見てました。まあ、これが全国的なものなのかは分かりませんけどね)
二つ目は、検察に政治的な圧力をかけるのは、非常に難しい話だと思うからです。
他の省庁とは違い、法務省の官僚組のトップは事務次官では無くて検事総長になっています。(詳しく書けば、検事総長・東京高検検事長最高検次長の次に事務次官が来るそうです)
むろん、検事総長の上位に法務大臣(法相)がいるわけですが、検察庁法第14条の規定により、個々の事件において法相が直接指揮出来るのは検事総長のみであり、個々の検事には指揮権が及びません。 この検事総長への法相による指揮が、いわゆる指揮権の発動と呼ばれるものですが、これが実際に発動されたのは1954年の犬養法相の時のみで、その時も世論の批判を浴びて法相自身が辞任に追い込まれています。
むろん、検察官も官僚ですので当然ながら政治的判断もするかもしれませんが(逆に時の政権が政敵を告発するという例もあるかもしれませんし)、それ以上に世論を味方につける事がどれだけ捜査に良い影響を与えるかも知悉しているでしょうし、むしろ社会正義を信じるからこそ検察官になるでしょうしね。先に書いた検察庁の独立性を考えますと、ますます時の政治に左右されるのは考えにくいと思うんですけどね。
むしろ、ライブドアとは別に、ヒューザーや総研に対して東京地検特捜部が内偵を進めていたとしても別に驚かないですね。東京地検特捜部には部長の下に三人の副部長をチーフとした三つの班があり、それぞれが別個で動いているわけですし。過去の疑獄事件と比較しても、特捜部全体で動くほどライブドアの事件が大掛かりなものとは思えませんしね。

話が長くなりましたが。
今回のようなライブドアへの特捜部の捜索という事態に発展したのは、法の網をくぐり抜けるという行為が検察官を含めた官僚たちをかなり刺激したからではないかと考えています。
法の網をくぐり抜けるという行為に官僚たちが過剰反応するのは、何もライブドアの一件が特別では無く、発泡酒などに対する財務官僚の反応などを見れば容易に想像がつきますしね。
これが、単に法の不備をつくというだけならば良かったのですが(法整備の不備を国に警告する効果がありますし)、法を逸脱してしまったのならば知らなかったでは済まないのは当たり前だろうと思います。
まあ、まだ捜索は続いていますし、安易に結論を急ぐのも何だかなとは思いますが、今後の成り行きには結構興味深いものがあるなと思っています。