やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

我が国における核抑止力は本当に意味があるのか?

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この中の、「日本が核武装するとしたら、その場合の仮想敵は、中国やロシアであるが、いずれも国土が日本よりはるかに広大である。中国と日本が核戦争して互いに5発ずつの核ミサイルを相手に撃ち込んだ場合、中国は、首都圏に3発、関西に2発を落とせば、日本を国家として機能停止させられるが、日本が北京や上海などの主要都市に5発を落としても、無傷の大都市がいくつも残り、中国は国家として生き延びられる」という一文は、かなり説得力があるもののように感じられました。かつての旧帝国陸軍が、北京・上海・南京などを次々に占領しても相手にどんどん拠点を移され、結局は戦線が泥沼化していったのを彷彿とさせます。
まあ、もし核武装を行なったとしても、結局は北朝鮮と同じ土俵に降りるだけですし、却って諸外国に袋叩きにされる口実を与えるだけなんじゃないでしょうか。
第二次大戦で我が国が滅亡寸前まで大敗したのは、軍事力の差というものもありましたが、世界的に孤立する羽目になったという外交上の失敗もあったという事を忘れてはならないと思います。
鎖国時代ならいざ知らず(それでも諸外国との交流を全く閉じていたわけではありませんし)、今の時代に我が国が世界的に孤立する事は、経済的な死をもたらすだけですしね。

まあ、シミュレーションとして、核武装をした場合についての検証を行なうことや議論をすることに反対する気は毛頭ありません。
ただ、それを行なうことによって、どれほど諸外国の我が国に対する見方が変わるか、あるいは外交に与える影響など、その辺りまで考えてやっているのかと考えると、甚だ疑問だと言わざるを得ません。
とても軽い印象を受けるんですよね。
そんな議論をする前に、もっと外交面で努力しないといけない部分がたくさんあるんじゃないかと思います。
一度戦争が始まれば、どんなに小規模な戦闘であっても莫大な国富と人的資源を消費します。それだけの貴重な資源を消費してでも得ないといけないものが何であるか。その辺りは冷静に考える必要があるのでは無いでしょうか?