この常陸太田市の対応はさすがに筋が違うと思います。
国や地方自治体であれ民間企業であれ、組織に損害を与えた場合、責任を取るのは当事者とその管理者、あとはトップをはじめとする経営陣に限定されるはずです。
何も関係がない職員なり従業員までを巻き込む必要はないでしょうし、市民に対しては損害が発生した原因と今後の対策を公表すれば良いだけの話だと思います。
誰しもミスを起こすことはあり得る話なのですから。
記事を読む限り、常陸太田市の宮田市長は、組織的体制に起因するものとして組織全体で責任を取るという考え方のようですが、これこそガバナンスの問題でしょう。
組織が原因で発生した損害の責任は、その組織を運営してきた責任者が取る。ガバナンス上これが当たり前の対応ですね。
今回の場合、当事者以外で責任を取るべきなのは、市長や幹部職員であり、後は損害を発生させた部署ぐらいでしょう。
そうでなければ、かえって組織のモラールを低下させるだけだと思います。
組織に損害を与えた責任を明確化し、懲戒処分などを行うのは組織の規律を守るためにも必要ですが、行き過ぎるとかえって組織全体を萎縮させることにもなりかねません。
そもそも、今回の処分が就業規則で定められたものなのかも疑義があります。
処分には公平性が求められます。
今回行おうとしている処分が公平性に基づいたものであるのか。常陸太田市にはそこを説明する責任があると思いますね。
