帝国軍のターンから同盟軍のターンへ
第2話は時系列を遡って同盟軍側からの描写で。
第1話と合わせるとアスターテ会戦の全体が把握できるので、効果的な話の進め方だと思いました。
鈴村さんのヤン・ウェンリーはイメージがぴったりでした。「温和な表情で辛辣な台詞を吐く」と評されるヤンの台詞ですが、パエッタ中将との会話の中にも色々と垣間見えました。
この言葉のキャッチボールが銀河英雄伝説の楽しみの一つですが、Die Neue Theseでもその楽しさがうまく表現されています。
原作に忠実であることに好感が持てました
石黒監督版ではアッテンボローに出番を取られたラオですが、今回は出番が多かったです。
前回の感想でも書きましたが、Die Neue Theseでは原作が非常に意識されていますね。これがより原作ならではの魅力を引き立てていると思います。
もちろん、演出の都合もあり、完全に原作に忠実ではないところもありましたが。
フィッシャーが第四艦隊ではなく、第二艦隊の分艦隊司令として登場したのは、後々の布石だろうとは思いました。第十三艦隊成立の過程が若干変わりそうですね。
まさかの元帥杖授与式のシーンが
Cパートで元帥杖授与式のシーンが出てきたので、少し驚きました。第3話の冒頭に出てくると思っていましたので。
式部官の前口上も原作通りで思わずにやりとしてしまいました。
居並ぶ軍人、官僚、大貴族の描写がありましたが、中でも宇宙艦隊司令長官ミュッケンベルガー元帥、統帥本部総長シュタインホフ元帥、幕僚総監クラーゼン元帥、軍務尚書エーレンベルク元帥の軍首脳四元帥のヒゲっぷりが妙に印象に残りました。まさに、ヒゲの迫力、じーさん団体(©︎紫堂恭子・グラン・ローヴァ物語)という感じで。銀河帝国はドイツ的描写が濃厚なので、ドイツの軍隊のイメージ、中でもプロイセン的な描写というものがどうしても念頭にあると思われますね。
また、軍服や宮廷服の描写はリアリティが感じられて良かったです。まあ、ラインハルトも含めた元帥たちが着用しているマントのようなものには驚かされましたが、どうやらペリースと呼ばれるものだそうです。
ラインハルト含む元帥閣下が着ている左肩だけかけるジャケット風マントは「ペリース(Pelisse)」です。
— ギールベルト (@gilbert0515) 2018年4月10日
元々は東欧のフサールと呼ばれる軽騎兵の制服であり、ナポレオン時代に流行したそうです。現代でもかつてフサール大国であったポーランド軍が式典などできています。カッコいい・・・ #新銀英伝 pic.twitter.com/nGkN6vHXU9
こういう細部へのこだわりには、またまたにやりとさせられます。
賛否両論があるDie Neue Theseですが、石黒監督版をリアルタイムで追っかけた私でも今は非常に楽しめています。
このクオリティを終盤まで維持してもらえればと思います。