やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

新九郎、奔る! 第13巻

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この第13巻で、新九郎を悩ませていた借金問題もひとまずは解決へ。
徳政と言えば鎌倉時代の印象があったのですが、室町時代に分一徳政という制度があったのを初めて知りました。日本史は奥が深いですね。
年貢に収入を頼る武士は、いつの時代も借金問題に頭を悩ませていたということでしょう。
一方で従兄の盛頼とは所領の東荏原をめぐる話もしていて、いよいよ新九郎が東国へ軸足を移す前触れかなとは思いました。

一方、都鄙和睦の成立により、この作品の始まり以前から続いていた享徳の乱もようやく終結
古河公方足利成氏伊豆国の御料所の割譲、関東管領上杉顕定伊豆国守護職の返上、そして堀越公方足利政知鎌倉公方の就任を諦めるという「三方一両損」的なものになりました。
そして、この都鄙和睦に向けた動きの中で、細川京兆家当主細川政元の才幹と変人ぶりがようやく目立つように。
政元が新九郎に堀越公方について色々と質問をするシーンがありましたが、これは新九郎が後年に政元にこき使われるフラグかなとも思ったりしました。

そして、いよいよ将軍足利義尚の申次衆に加わり、無位・無官・無職の三冠王から脱した新九郎。
後は身を固めるだけですが、そちらもすんなりと事が運びそうな雰囲気です。
次巻はその話になるでしょうね。
東国での新九郎の「種まき」が功を奏したか、上杉定正太田道灌との間にもすきま風が吹きだしたようですし。
享徳の乱終結しましたが、東国での新九郎の出番はこれから本格的になるようで、ますます先が楽しみになりました。