やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

新九郎、奔る! 第15巻

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ネタバレ注意
新刊の内容に触れている文言があります。ネタバレになる可能性もあるのでご注意ください。

表紙は戦支度をした新九郎。
これからの戦いの日々を暗示するかのようですね。

前巻の終わりに起きた太田道灌の横死により激震が走る東国。
一方、龍王丸の家督相続に奔走している新九郎にとっては好機到来ということで、龍王丸の駿府帰還に向けての工作が本格化します。

その間に龍王丸の姉・亀の婚姻、妻ぬいの出産と、新九郎の周辺では続々と慶事が続きます。
亀が公家の正親町三条家に嫁いだのは、母の北川殿と共に京に居たことが大きかったのかなと思いました。もともと有職故実に長けた伊勢家の一門でしたしね。
後の龍王丸の結婚相手もそうですが、一家が京にいた影響は後から考えると大きかったと思いますね。

一方、新九郎の駿河下向の大きな障害になっていたのが将軍足利義尚の「わがまま」でしたが、細川政元伊勢貞宗が一計を案じたことで無事に下向がかなうことに。
それにしても、細川政元伊勢貞宗も百戦錬磨の政治家だと思いました。
龍王丸擁立を将軍後継や堀越公方の処遇とあわせて組み込んでいったのですから。

で、龍王丸を奉じて駿河に下向した新九郎ですが。
早速、範満派の洗礼を受けることに。
最初は範満派の抵抗が大きいという演出だけで行くのかなと思ったのですが、範満に病魔が忍び寄っているという設定を加えたのは面白いと思いました。
亡き義忠の幻も見せて、範満の恐れや焦り、そして怒りなどの内面を徐々に描いていったのはリアリティが感じられて良かったですね。

そして新九郎の周辺も、刺客が多く現れるようになってきな臭くなってきました。
そのような中でも着々と布石を打つ新九郎。
前回は年若く道灌に手玉に取られた新九郎でしたが、今回はどこまで成長した姿を見せることができるか。

いよいよ次巻は今川家のお家騒動第二幕ということで、今から楽しみですね。