一ヶ月以上前に発売された新刊ですが、ようやく読破。
今回は今川家のお家騒動第二幕の前半部です。
前回のお家騒動は小鹿新五郎(範満)の後ろ盾になっていた扇谷上杉家の家宰太田道灌に良いようにあしらわれていましたが、今回はその道灌も既に亡く、いよいよ新九郎の独壇場かと思っていたのですが。
やはり新九郎は苦労人でした。
甥の龍王丸にはわがままを言われたり、敵対する新五郎方からは君側の奸のような扱いを受けたりと、相変わらず散々ですね。
挙げ句の果てに初陣が「ヤクザのカチコミ」でしたし。
ただ、幕府の申次衆として幕府内でもまれてきたからか、駿河の国衆に対して様々な布石を打っている様を見ると成長したなあとは思いました。
あと、新九郎の家来たちも色々と活躍するようになりましたね。
めいめいが武士として勇敢に戦ったりもしますが、大道寺太郎や多米権兵衛が駿河の国衆と交渉している様子も描かれ、新九郎の名代としての役目を立派に果たしていると思いました。
山中才四郎は……まだまだこれからでしょうね。
次巻は手切れとなった両者がいよいよ今川家次期当主を賭けたガチンコの対決へ。
いよいよこれまで新九郎が打ってきた布石も明らかになるでしょうし、色々と楽しみですね。