やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

峰宗太郎・山中浩之「新型コロナとワクチン 知らないと不都合な真実」

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以前、河野太郎ワクチン担当大臣が3月にブログで勧めていた本ですが、今月ようやく読んでみました。
ウイルス免疫学を専門とする峰宗太郎氏と日経ビジネスの山中浩之氏の対談形式となっていて、内容としては、新型コロナウイルスとは何か、PCR検査とは何か、そして、mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチンとは何かなど、言葉としてしか知らなかった新型コロナ関連の用語に詳細な説明がなされています。
刊行されたのが昨年の12月なので、デルタ株など変異株への言及や第3波以降の記述は当然ながらありませんが、感染症対策やワクチンなど新型コロナに関する入門書としては今も役に立つ知見が詰まっていると思います。

ただ、その中で個人的には、新型コロナウイルスなどに関する記述が並ぶ中で、第8章の「根拠の薄い話に惑わされない思考法」と第9章の「誰を信じるのか、信じていいのか?」は是非一読すべきと思いました。
なぜなら、テキストベースであれ動画ベースであれSNSによる情報拡散が当たり前になる中で、そう言った氾濫する情報を受け取る側である私たちは、今まで以上に情報を吟味する必要に迫られているからです。
また、SNSでは日々、新型コロナウイルス感染症やそのワクチンについて、荒唐無稽なデマが出回っていますし、そのようなデマを信じて疑わない人々を結構見かけるようになったと言う事実もあります。

簡単に素早く検索出来ることや親しい人たちや著名人などが気軽にコメントを流したりしているが故に、私たちは安易にネット検索やSNSなどに情報を求める傾向があります。しかし、そう言った情報は当たり前ですが必ずしも正しい情報だとは限りません。
そう言った玉石混淆な情報に接した時に私たち自身はどう考えるのか?
このネット社会で私たち自身も情報発信の主体になり得る中で、私たち自身も情報の取り扱い方が問われていると思います。

「確実」で「絶対」な情報ソースなどないのです。それは公的情報も含めてです。簡単に手軽に手に入り、正しいことが保証されている、そんな情報はないのです。 90%正しいことを言っている人でも間違いが入ることも当然あるわけです。さらに言えば、詐欺師は必ず真実を混ぜて噓をつきます。」

第9章の中で一番印象に残った文章です。
一面で真実が混ざったデマが流されるが故に、そのデマに乗っかってしまう残念な人々も出てきているのだろうとは思います。
信頼する人の言葉を全面的に信じるのでは無く、信頼する人であってもその言葉を一つずつ吟味する必要はあるのでしょう。

この本の最後で述べられる「不都合な真実」についてはネタバレになりますので敢えて触れませんが。
容易に情報が入る時代だからこそ、私たちにはそれらの情報を分析してファクトを取り出す技量が求められているのかもしれません。
そしてその事は、新型コロナウイルス感染症やそのワクチンなどに限らず、あらゆる局面で私たちに突きつけられている課題なのかもしれませんね。