やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

風雲児たち5

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今日はコンビニで風雲児たちを見かけたので、早速購入しました。

今回は前野良沢杉田玄白らによる解体新書の出版までが描かれていました。
そこで思い出すのが、中学か高校時代の教科書に載っていた前野良沢という伝記文で、その文章たるや、解体新書における前野良沢の功績を称揚し、(結果的に)名声を独占することになった杉田玄白を悪し様に描くと言う、結構ショッキングな文章でした。

ただ、その文章を見て、当時の私が感じたのが、「じゃあ、何で杉田玄白蘭学事始を書き残したのだろうか?と言うことでした。もし杉田玄白蘭学事始を残さなかったら、今以上に前野良沢と言う人物は知られることが無かったはずだからです。

結局は前野良沢杉田玄白という両輪があって初めて、解体新書と言う作品は世に出ることが出来たのではないでしょうか?
蘭学の能力は有るが、人付き合いが下手で世渡りもうまくない良沢と、蘭学の知識は乏しいが、社交的で処世術も心得ていて、しかも名文も書けた玄白………結局はどちらが欠けても解体新書と言う作品は世に出なかったんだろうと思います。
そして、その良沢の功績を知悉していたからこそ、玄白は蘭学事始に良沢という人物を書き込んだのではないでしょうかとも思うのです。

一人では成し遂げる事が難しくても、複数の人間が関わる事で大きな仕事を成し遂げる………。
この解体新書の事例は、大げさですが、多くの人間が叡知を傾けることの素晴らしさを今も私たちに教えているのではないでしょうか?
少なくとも私はそう思うのです。