やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

ハードに頼る企業誘致

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今朝の日経に、過熱する企業誘致の実態についての記事が掲載されていました。

シャープと言う一企業に対して破格の補助金を与えた三重県に対する賛否や、進出撤回に伴なう秋田県大王製紙との訴訟合戦などが主な話題だったのですが、私としては、たかだか一企業を誘致するために莫大な血税をハード、いわゆる箱物につぎ込む地方自治体の姿勢には首をかしげざるを得ません。

本来、産業基盤の整備とは、単一の企業に対して行なうものではなく、なるべく共通した基盤を提供する事によって、いくつもの産業が成り立つようにするために行なうものだと思います。それによって、競争力の強化や付加価値のついた新産業の勃興などがもたらされることで、はじめて地域の発展に寄与することになると思うのです。

ですが、今のほとんどの自治体には、既存の安定企業を誘致することで、地元の税収を短期的に上げようという近視眼的な思考しか見えてきません。
その最たる例が現在の大阪で、あくまでも箱物の基盤整備に拘った挙げ句に、急激な企業流出を招き、今では老廃した辺境の一都市に転落しつつあります。

産業基盤の整備は何も箱物だけではありません。
税金の優遇や特恵制度などと言ったソフト面での整備も言うまでも無く整備ですね。まあ、短期的に結果を出す事しか考えない自治体のお偉方には、こう言ったまず、身を切る政策を行なう度胸などは全く無いのでしょうけどね。

確かに、意表をつく政策が必ずしも良い政策であるとは限らないのですが。
それでも、もう少しは独創性のある施策を出して欲しいものです。