やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

不況とシュンペーター

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株式市場なお不安定、日経平均一時1万3000円台・反発、勢い失う
NIKKEI NETより。

株安イコール不況への道という論調が多いのですが、不況という言葉を聞くたびに思い出すのが、20世紀の偉大な経済学者の一人であるヨーゼフ・アロイス・シュンペーターが言い放った「不況は資本主義にとっては適当なお湿りである」という言葉でした。

シュンペーターは、マネジメントの泰斗であったピーター・ドラッカーと並んで、イノベーションという言葉を普及させた功労者として知られていますが、一方で、経済学の主流派であったケインズに対抗する理論を提唱した偉大な経済学者でもありました。
先の言葉は、アメリカが大不況に喘いでいた1930年代、シュンペーターハーバード大学で教鞭をとっていた時に述べられたものですが、その真意は、不況がかのイノベーションによってもたらされた新事態に対する経済体系の正常な適応過程であり、ケインズが唱える有効需要の不足で生じたものでは無いということでした。
どちらが正しいのかは、私も経済学を深く勉強していないので何とも言えませんが、個人的には、シュンペーターの考え方の方が前向きで好きですね。
だからこそ、不況という言葉を聞くと、どうしても暗いイメージしか思い浮かばないのですが、経済が正常に適応する未来を信じてみたいなと思います。いささか我田引水的な結論ですけどね。
ただ、現状を悲観するよりは何万倍もマシだとは思います。
(参考文献・「シュンペーター - 孤高の経済学者 - 」伊東光晴・根井雅弘著 - 岩波新書