やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

独裁者を追い出してめでたしめでたしにはならないでしょう

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今回のシリア・アサド政権の崩壊は、各国の反応や外国も含めたメディアの反応を見ていると完全に想定外だったことがよく分かります。
ただ、独裁者を追い出してめでたしめでたしにはならないでしょう。
問題はこれからだと思います。

まず、今回首都ダマスカスを制圧したシリアの反政府勢力を主導するシリア解放機構が国連などからテロ組織として認定されている点です。
この状況でシリア解放機構が政権に参画すれば、諸外国の広い協力を得ることは困難だろうと思います。
いかに諸外国から承認されるような民主的な政権を発足できるかがポイントになると思います。

もう一つはシリアに権益を持つロシアの動向です。
ウクライナに軍事力を投入しているとは言っても、シリアの権益が脅かされるとなれば、ロシアも黙ってはいないと思います。
もともと外国の反発を意に介さないロシアのことですから、権益を守るために中東で軍事力を行使することは十二分に考えられると思います。
そうなれば中東において新たな火種が生まれるだけでなく、中東の平和に向けた不確定要素がさらに増えることになるだろうと思いますね。

1つの物事が解決すれば、新たな課題が増える。
シリアにおいても例外ではないと思います。
独裁的なアサド政権を支持していたわけではありませんが、力の空白による混迷が発生する可能性もありますし、楽観はできないでしょう。
アフガニスタンの事案を考えれば、年単位で注視する必要があると思いますね。