やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

銀河英雄伝説 Die Neue These 第11話「死線[前編]」

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自由惑星同盟国章

虚空に響く宣撫士官の台詞

意気揚々と帝国領に進攻した同盟軍。
案に反し、帝国領内の占拠は順調に進みます。
そこで宣撫士官は、帝国の圧政からの解放を住民に説きますが、返ってくるのは「食料が欲しい」との言葉。
まあ、どの本に出ていたかは忘れましたが、「人はパンのみにて生くものにあらず、されどまたパンなくして人は生くものにあらず」という言葉を思い出しました。
前半は聖書の有名な一文ですが、人の本性の一面を的確に表現した言葉だと思います。

スケールの大きな焦土作戦

帝国深くに進攻するに従い、ヤンは帝国軍、ローエングラム伯ラインハルトの意図を理解します。
焦土作戦
現実の歴史上ではナポレオンのロシア戦役が有名ですが、征服戦争(同盟側にしてみれば解放戦争)を迎え撃つ側にしてみれば、一番効果的な作戦だと思います。
もっとも、大局観のあるラインハルトだからこそ実行できた作戦だとも言えますが。

歴戦の勇将とメッキが剥がれたエリート

ヤンは帝国軍の意図を察知して行動を起こします。
ウランフ提督など前線指揮官たちの理解をすんなり得られたのは、前線の苦労を目の当たりにしていたからでしょうね。
面白かったのは、ヤン自身が総司令部に意見具申をするではなく、歴戦の勇将であるビュコック提督に依頼したことです。
この自分の限界を自身で客観的に理解している冷静さが、ヤンの魅力の一つですね。だからこそ、物のわかる周囲の人間から信頼を得ることが出来るのだろうと思います。
一方、自分の能力を過信し過ぎているエリート参謀についてですが、ビュコック提督に完膚無きまでに叩きのめされて哀れな事に。
まあ、彼らしい末路だとは思いましたが、このフォーク准将のような「メッキで出来たエリート」は現実の世界でも山ほどいますしね。個人的にはこのような人間の下で現実世界で働きたくはないと言った所です。

そしていよいよ、帝国軍の反攻が。
何か同盟軍の末路が見え見えで萎えますが、この理想の未来が必ずしも実現しない現実的な所も銀河英雄伝説の魅力なので、今クールの最終話までは見届けたいと思います。