やね日記

或る大阪在住Mac使いの道楽な日々

銀河英雄伝説 Die Neue These 第28話「改革者」

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ゴールデンバウム朝銀河帝国国章

先週放送された、銀河英雄伝説 Die Neue These 第28話「改革者」のネタバレ有りの感想です。

「腐敗した民主政治」と「清廉な専制政治

門閥貴族たちを打倒し、返す刀で同盟者であったリヒテンラーデ公クラウスも倒し、帝国軍最高司令官兼帝国宰相として銀河帝国の全権を握ったラインハルト。
その「権力」でもってラインハルトは帝国の改革に乗り出し、帝国の民衆の多くから支持を得ることに。

ここに来て、銀河英雄伝説のテーゼの一つである「腐敗した民主政治」と「清廉な専制政治」の対比が突きつけられてきました。
実際の人類の歴史でもそうですが、民主主義政治は有権者の不断の努力がなければどうしても腐敗します。
そのような中で、清廉さや多くの民衆に利益を与えてくれる独裁者や専制君主が現れたら民衆はどう行動するか。
この銀河英雄伝説のテーゼにはいつも考えさせられますし、個人的に未だ明確な答えは出せていませんね。

犬の視点というのは意外な演出でした

今回の話の流れでもう一つ興味を引いたのが、「あの犬」の視点で帝都オーディンの各所での出来事が展開される流れでした。
執務室に出勤するラインハルトや休日を楽しむビッテンフェルトなどの提督たち、そして、亡きオフレッサーの墓参りをするミュッケンベルガー退役元帥など。
ラインハルトの改革者としての事績が描かれる一方で、犬を通じて様々な場面を見せるのは良い演出だと思いました。
割と自然な形で、最終的に「オーベルシュタインの犬」になりましたしね。

ラインハルトが求めるもの

作中ずっと、ラインハルトの表情に違和感を覚えていましたが。
最後のシーンで、無二の友を喪ったラインハルトが、次に求めるものが明らかに。
と言っても、第二期の終盤でもその心情は吐露されていましたが。
ただ、それは自分のために生きるのではなく友との約束のために生きているだけではあるので、それが本当にラインハルトにとっての正しい生き方なのかなとは思いますけどね。
本来ならそれをいさめたであろうキルヒアイスは既に亡く、唯一の肉親であるアンネローゼも去った今、今は誰もラインハルトの心の中にまで入り込める人はいないですしね。
しかしまあ、孤独な権力者というものは様々な作品でよく見かけますが、ラインハルトはより極端だと思います。
その精神状態で善政を施けるのが、彼の非凡さでもあるわけですが。

パリオリンピックのおかげで、次回はしばらくお預けのようです。
残念ですが、再開を楽しみに待ちたいと思います。