先週放送された、銀河英雄伝説 Die Neue These 第33話「武器なき戦い」のネタバレ有りの感想です。
査問会という名の茶番劇で、珍しくブチ切れ寸前のヤンの姿を見ることに。
自浄作用を失った民主主義の総本山
ついに宇宙艦隊司令長官のビュコック大将を頼るグリーンヒル大尉。
しかし、ビュコック大将やレベロ議員からの話で、同盟の危機的な状況が明らかに。
密室政治、結託する権力、そして「報道しない自由」を発揮するマスメディア。
現代のどこかの国や県を見ているかのようですね。
民主主義政治が崩壊するのは外部からの圧迫ではなく内部崩壊というのは、これは今までの現実の歴史でも明らかなわけで。
この作品では様々な場面で民主主義政治の堕落や崩壊が描かれていますが、共通するのは民主的に選ばれた政治家が権力を既得権化する過程とそのことをチェックしなくなった大多数の民衆という構図です。
現実の世界においてもありがちな話だとは思いますね。
主戦論の欺まん
で、その民主主義国家におけるエスタブリッシュメントたちが、今回は戦争に対するご高説を長々と。
これはヤンでなくても嫌気がさすかなとは思いました。
この主戦論は、以前の救国軍事会議によるクーデターの時にクリスチアン大佐が言った軍隊至上主義の考え方と、民衆を駒としか考えていない点では同根だと思います。
人類の歴史上、避けられない戦争は少なからずありますが、それでも手段が目的化するとこのような有り様になるのかなと思います。
そのような連中を政治家に選んではならないとは思いました。
彼らが帰るべき場所
あまりの茶番劇にヤンが辞表を出そうとしたところに、帝国によるイゼルローン侵攻の報せが。
ここで先に辞表を出していたらどうなったかと思いましたが、仮に先に出したとしても慰留されてヤンはイゼルローンに赴いたとは思いますね。
ただ、ヤンにとってはハイネセンを「脱出」できたのは良かったと思います。
最前線であってもイゼルローンにいる方が気は楽そうですしね。
陰険漫才も終わり、次はいよいよイゼルローンの攻防戦へ。
要塞対要塞の戦いが見物です。